動画には数メートル掘った土の穴に飼育用と思われる木製のかごや猫が放り込まれ、上方では掘削か埋設の作業のためと見られるショベルカーが稼働している。穴から必死にジャンプして逃げる猫の姿も映されている。
香港01によると、現場は広東省仏山市。「食は広州にあり」とも形容されるほど食欲旺盛とされる同省には、中国内でも猫を食べる文化が集中している。猫肉産業は同地で儲かる産業で、地元で5大ファミリーとされる内の一つ、黄家の中心ビジネスと報じられている。広東省では1斤(600グラム)が6元(約120円)で売買されているという。
ただ、問題となっているのは食べる伝統の可否ではなく、当局側が「無害化処理」と呼称する手法についてだ。
中国本土には香港と異なり、猫や犬肉を食べることを禁止する法律はない。2010年に動物虐待防止法の制定に動いたが、頓挫した経緯がある。そのためこうしたケースで適用されるのは病気などのまん延防止を想定した動物防疫法になる。検疫を行っていない動物は没収対象になる。
当局は地元の動物愛護団体に対し、日本でも行われている二酸化炭素注入による窒息死を約束したが、実際に行われているかどうか確認する現場立ち合いも認めなかった。その後、団体関係者に対し「方法は殺害して埋めるか、直接埋めるかだけだ」と話したという。
こうした背景の一つとして指摘されるのが予算の問題だ。仏山市の猫の「無害化処理」予算は区によって差はあるものの1匹あたり50~70元(約100~140円)。10万元(約200万円)の上限に達すると終了する取り決めで、10万匹を超えるとされる同市の殺処分対象には遠く及ばず、生き埋めなどの行為が横行する理由の一つになっていると見られる。
中国では昨年池で100匹近い猫が溺死する動画も出回った。今回出回った動画は今年3月ではなく、昨年の撮影との指摘も出ているが、こうした殺処分の横行をむしろ印象付けるものとなり、根本的な解決には程遠そうだ。
産経新聞 2025/4/16 17:47
https://www.sankei.com/article/20250416-7JPGYJ2S3BBP5K6CYP4JZM6T4A/
引用元: ・猫900匹生き埋め「無害化処理」か 流出動画非難に中国当局「方法を決めるのは我々」[4/16] [ばーど★]
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