https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250416/k10014780871000.html
2025年4月16日 17時42分
大阪出入国在留管理局に収容されていたペルー人の男性が、長時間手錠をかけられて放置されたとして国に賠償を求めた裁判で、大阪地方裁判所は「手錠の使用は必要な範囲を超えていて違法だ」と判断し、国に11万円の支払いを命じました。
ペルー人のブルゴス・フジイさんは2017年、現在の大阪出入国在留管理局に収容されていた際、食事の改善を求めたところ1人部屋に連れて行かれ、後ろ手に手錠をかけられたまま14時間以上放置され、職員から暴行を受けてけがをしたと主張し、国に200万円余りの賠償を求める訴えを起こしました。
国側は5人の職員が押さえつけている様子などを写した監視カメラの映像を法廷に提出し「本人を落ち着かせるために必要最小限度の範囲で手錠の使用を継続した」と反論していました。
フジイさんは提訴後死亡し、関係者が訴訟を引き継いでいました。
16日の判決で大阪地方裁判所の堀部亮一裁判長は「フジイさんが大声をあげていたことなどから、他者に危害を加えないよう手錠をかけたことは違法ではないが、落ち着いたあとも対応を検討せず、手錠をかけ続けたのは必要な範囲を超えて違法だ」などとして、国に対して11万円の賠償を命じました。
一方、職員からの暴行があったとは認められないとしました。
大阪出入国在留管理局「今後の対応について協議する」
大阪出入国在留管理局は「判決の内容を精査し、上級庁の出入国在留管理庁や関係機関と今後の対応について協議していく」とコメントしています。
弁護団 “一定程度評価できる”も控訴を検討する考え
判決のあと、ブルゴス・フジイさんの弁護団が会見を開き、中井雅人弁護士は、裁判のさなかに男性が病気で亡くなったことを受けて「入管の行為について『許せない』と言っていた彼の思いには報いることができたと伝えたい」と話していました。
川崎真陽弁護士は国の人権侵害を認める判決で、一定程度評価できるとした上で、「後ろ手に手錠をかけることが適切かどうか判断していないことや、暴行とけがの因果関係を認められなかったことは残念だ」などと述べ、控訴を検討する考えを示しました。
引用元: ・大阪入管 ペルー人男性に“長時間手錠”国に賠償命令 大阪地裁 [少考さん★]
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