2025/2/6 06:00(最終更新 2/6 06:00)
https://mainichi.jp/articles/20250204/k00/00m/040/126000c
2024年4月に改正障害者差別解消法が施行され、民間事業者にも「合理的配慮」が義務化された。しかし、人手不足や経営合理化を背景に社会のICT(情報通信技術)化や無人化が進む中、障害のある人が街のあちこちで不便な思いを強いられている。
毎日新聞は13の障害者団体でつくる「日本障害フォーラム」や週刊点字新聞「点字毎日」などを通じて、障害者に合理的配慮について尋ねるアンケートを実施し、今年1月までに10歳未満~80代の511人から回答を得た。ICT化や無人化で困った経験のある割合は6割で、このうち視覚障害者(180人)に限ると8割を占めた。
視覚障害者は小売店の会計や飲食店の注文などで「タッチパネルが使えない」という回答が多かった。その場で困ってもスタッフが少なく「手伝いを頼めない」との意見も目立った。コンサートのチケットなどのオンライン予約でも「電話対応がなく利用できない」という声が寄せられた。
また、車いすを使う肢体不自由者は「無人レジに手が届かない」、聴覚障害者は「無人駅の改札や券売機でインターホンから問い合わせができない」と答えるなど、障害の種別を問わず困難に直面している状況が浮かんだ。一方、スマートフォンの音声読み上げや自動文字起こし機能などで「便利になった」とICTの発展を歓迎する声もある。
合理的配慮とは、障害者の活動が制限される社会的な障壁があった場合、本人から申し出があれば過重な負担にならない範囲で個々の求めに応じることを指す。たとえ環境整備が不十分だったとしても、それを補うために障壁を取り除かなければならない。
16年施行の障害者差別解消法では、障害を理由に一律にサービスの提供を拒むことなどを「不当な差別的取り扱い」として禁じた上で、行政機関に合理的配慮を義務づけた。民間事業者は努力義務だったが、24年4月に義務化し、「差別の禁止」の項目で「必要かつ合理的な配慮をしなければならない」と定める。
アンケートでは、広く日常の場で「助けが欲しいと伝えたのに応じてもらえなかったことはあるか」についても聞いた。5割超が「ある」と答え、その場所については複数回答で、交通機関が4割▽飲食店と医療機関が3割▽小売店、行政窓口、金融機関、教育・学習が2割――だった。
また、「助けが欲しかったのに伝えられなかったことがある」とした人も6割近くに上った。差別解消法では、障害者側からの「意思の表明」が合理的配慮の前提となるが、そもそも要望を口に出しにくい人が多かった。困った時の相談先は「家族」「友人」「所属団体」の順に多く、「他人に相談したことはない」という回答も3割あった。【黒川晋史】
引用元: ・「タッチパネル使えない」 障害者の6割、ICT・無人化で困った経験 [七波羅探題★]
できない人は無視してできるひとだけの世界にするのが今なので、絶望ですね
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