大学入試の志願者数は1年おきに増加と減少を繰り返す「隔年現象」が起きるといわれている。前年に志願者が増加していると、高倍率を避けるために志願者は減少。逆に前年が低倍率だった場合は、狙い目と感じた受験生が多く出願し、志願者数が増加するからだ。
日大の志願者数はさらに5000人以上の上乗せが予想される。ただ、前年よりは増えるものの、「隔年現象」が起きたとはいえない。2年前の数字からは遠く離れる可能性が高いからだ。
’23年の志願者数は9万8506人だった。しかし、この年にアメリカンフットボール部員の違法薬物事件が起きた。しかも、事件発覚時に林真理子理事長(70)が全面否定した上、内部で事件を隠蔽しようとした動きも明らかになった。この不祥事を受けて’24年の志願者数は7万5839人にまで落ち込んだ。2万2667人もの大幅減は他大学では考えられない。
日大アメフト部では’18年にも危険タックル問題が起きている。この時も翌’19年の入試で志願者が1万4344人減少した。ただし、’20年入試では1万3049人増えて元の水準に戻っていた。’21年には病院建て替えをめぐる背任事件や当時の田中英壽理事長(故人)の所得税法違反事件が発生するも、翌年の入試で志願者数は減少しなかった。
それだけに、今年の入試で志願者数が元の水準に戻る見込みがないのは、日大にとっては深刻な事態といえる。
◆3つの部で1億2000万円以上をだまし取る不祥事
もちろん、その原因は日大にある。薬物事件以降、ガバナンスを強化する目的で学内に「競技スポーツセンター」が設置されたが、目立った改革がなされているとはいえない。それどころか、’24年7月以降にもスポーツ部による深刻な不祥事が発覚し、大学が混乱しているのだ。
最初に発覚したのは重量挙部の不正だった。奨学金制度の対象となっている新入生の入部予定者に対し、「納付金(入学金や授業料)の免除は2年目から」と嘘をついて請求書を送り、本来なら免除されるはずの1年目の納付金を重量挙部の口座に振り込ませて私的に流用していたのだ。これまでに58人が被害に遭い、被害総額は5300万円あまりにのぼった。被害者の大半が直近10年以内の入学生だが、それ以前に入学した部員も被害に遭っていた。
同様の手口で、陸上競技部では10年間で4400万円あまり、スケート部では7年間で約2400万円を不正に振り込ませていたことが日大の調査で判明した。’24年12月19日時点で、被害総額は3つの部を合わせて1億2000万円を超えた。これでは信頼回復は望めないだろう。
志願者数が戻らない原因として、もう一つ考えられているのは「日東駒専(日大、東洋大、駒澤大、専修大)」のライバル、東洋大の入試改革だ。
東洋大は今年から「学校推薦入試基礎学力テスト型」を導入し、12月1日に試験が行われた。2教科の入試で合否を判断するもので、3月31日までに入学を辞退した場合には、入学金以外の納付金は返還される。つまり、年内に合格を得た上で、他大学の併願が可能になったのだ。この新しい入試に2万人以上の受験生が殺到。文部科学省は学校推薦型入試で年内に学力試験を課すのは「ルール違反」と指摘しているが、同様の入試は関西の私大では’90年代から行われている。東洋大の新たな入試制度も、日大の志願者数を伸び悩ませた一因と考えられる。
日本一の学生数を誇るマンモス大学であり、かつては一般入試で10万人以上の志願者を集めてきた日大。度重なる不祥事と、ライバル大学の入試改革によって、志願者数はこのまま低迷が続くのかもしれない。
FRIDAYデジタル
https://friday.kodansha.co.jp/article/411368
2/3
引用元: ・【入試】日大の志願者が不祥事で伸び悩み…ライバル・東洋大学との「広がる格差」隔年現象は起きず [七波羅探題★]
レベル低下がヤバい
コメント