【特撮】大改変は裏番組のせい？　『ミラーマン』が途中から「副業」を始めた理由

1971年に放送が始まった特撮番組『ミラーマン』は、円谷プロが『帰ってきたウルトラマン』と並行して製作した作品です。
主人公・鏡京太郎は当初新聞社のカメラマンという設定でしたが、途中から敵の宇宙人と戦う組織・SGMに加入します。京太郎はカメラマンをしながら隊員としても活躍する、パラレルワーカーの先駆けでした。
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視聴率低下のてこ入れのために、全てが「ウルトラマン化」

後半から番組のテイストが一変？「ウルトラ特撮ＰＥＲＦＥＣＴ　ＭＯＯＫ　ｖｏｌ．１３　ミラーマン 」（講談社）

　1971年に放送された特撮ドラマ『ミラーマン』は円谷プロが『帰ってきたウルトラマン』と並行しながら製作した、ウルトラマンに続く巨大変身ヒーローものです。
主人公の鏡京太郎は当初カメラマンでしたが、途中で敵の宇宙人・インベーダーと戦う組織「SGM」の特別隊員となって2足のわらじを履くことになりました。急な設定変更には、TV放送ならではの事情があったようです。

　京太郎はもともと毎朝新聞のカメラマンですが、実は人間と2次元人のハーフであるミラーマンです。彼は同じ2次元から現れたインベーダーが社会に忍び込み、地球侵略を狙っていることに気付きます。
そして育ての親の御手洗博士が作った、インベーダーを調査する組織SGMと協力しながら、ミラーマンに変身しインベーダーに立ち向かいます。

　当初はあくまで一協力者としてSGMに出入りしていた京太郎でしたが、放送開始から半年後の第26話『ミラーマン・絶体絶命！』、第27話『総攻撃！S.G.M』で番組の設定を揺るがす「大改変」がおこなわれます。

　インベーダーに基地を襲撃されたSGMは全滅……と思いきや、実は秘かに地下に基地が増設され、隊員たちは戦闘機のジャンボフェニックスに乗り込み、
ミラーマンを助けてインベーダーを攻撃し、調査研究組織から武装組織にパワーアップします。同時に京太郎もカメラマンを続けながら、特別隊員としてSGMのメンバーになるのです。

　改変はそれだけではありません。京太郎はインベーダーの陰謀によって、時限爆弾を仕掛けられます。ミラーマンに変身して時間切れになると爆死……という状態になったため、京太郎は父からタイムリミットを知らせるカラータイマーを授けられるのです。

　まとめると、途中から京太郎はSGMの隊員としてジャンボフェニックスに乗り込み、ミラーマンにはカラータイマーがつきます。つまり、改変により設定がほぼ『ウルトラマン』と同じになってしまったのです。

　この改変は、TV局のプロデューサーから要請されたものでした。それは視聴率回復のための「てこ入れ」で、京太郎が「パラレルワーカー」になったのは製作側の苦肉の策だったようです。

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