「迷いクジラ」大阪湾で発見から1か月　対応に頭悩ます大阪府

　大阪湾にクジラが迷い込み、約1カ月にわたってとどまっている。大阪湾では約1年前にマッコウクジラの「淀ちゃん」が迷い込み、命を落としたばかり。関係者は「元気に外海へ戻ってほしい」と願いを込めるが、大阪府では今後に備えた検討も始まっている。　府によると、クジラは体長12メートル、重さ20トンと推定され、オスのマッコウクジラとみられる。今年に入り、湾内での目撃情報が相次いで寄せられた。1月12日に神戸市や西宮市などの大阪湾内で見つかったのを皮切りに、高石市や西宮市、大阪市などの沖合でそれぞれ確認され、23日からは堺泉北港内でとどまっている。

府は定期的に状況を確認。今月16日午前9時過ぎには、潮を吹いて呼吸し、自力で沈むなどして泳いでいるのを確認した。

心配されるのがクジラの体調だ。滞在している海域は水深10～15メートルほどと浅く、食料となるようなものがない。クジラや大阪湾の生態系に詳しい大阪海区漁業調整委員会の鍋島靖信・専門委員（70）は「かなりやせ細っている。水温も低く、危険な状態だ」と指摘する。

鍋島さんによると、近年海水…(以下有料版で，残り789文字)

朝日新聞　2024年2月17日 12時00分
https://www.asahi.com/articles/ASS2J7JK2S2FOXIE01Z.html?iref=comtop_7_04