【ふるさと納税】海の幸もない・山の幸もない…奈良市は「コト返礼品」に重点、観光地の強みで「１０億円を目指す」

　ふるさと納税の制度は、都市と地方の税収格差の是正を目的に誕生したが、返礼品競争の過熱や寄付の偏りが生じ、都市部を中心に税収減が続く。　奈良市でも、流出額が受け入れ額を上回り、２０２２年度は約３億３０００万円の受け入れ額に対し、市民が他の自治体に寄付した額は約３３億円。うち約１４億円が２３年度の住民税控除額として差し引かれる。控除額の７５％は国から 補填ほてん されるが、２２年度は受け入れ額と相殺しても、約１億３０００万円の赤字だった。

市によると、１７年度以降ずっと赤字続きで、流出額は年々増加しており、市民サービスの低下も懸念される。こうした状況を受け、今回、黒字化が確実に見込める年間受け入れ額１０億円を目標に掲げたという。

ただ奈良市は、北海道や九州のような海山の特産品に乏しく、担当する松本貴行・納税課長補佐も「そんな返礼品は出したくても出せない」と話す。

そこで市が力を入れるのが「コト返礼品」だ。肉や魚など「モノ」ではなく、宿泊券や観光体験といった返礼品で、誘客や交流人口の増加、市のプロモーションにつなげたい考えだ。

サッカーＪ３・奈良クラブのユニホームやグッズを返礼品に加え、

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