中国政府のプロパガンダを密かに拡散するため、主要な国際ニュースメディアになりすました大規模なウェブサイト網が存在することが最新調査で明らかになった。
今回の調査結果は、影響工作がますます民間のマーケティング手法と融合し、正統なジャーナリズムを装いながら中国政府のメッセージを増幅させる秘密のエコシステムが形成されていることを示唆している。
欧米のプラットフォームと中国のソーシャルメディアの両方を利用することで、捏造された記事にも信頼性があるかのような印象を与える。その結果、国際メディアへの信頼は逆に損なわれ、偽情報対策を一層困難にする恐れがある。
オンラインコミュニティをAI(人工知能)で分析するニューヨークの調査会社グラフィカは、ニューヨーク・タイムズ、ガーディアン、ウォール・ストリート・ジャーナルなどの報道機関になりすました43のドメインと37のサブドメインを特定した。
グーグルTAGも警告
これらのサイトは広告を取り、中国国営メディアのコンテンツ、中国共産党(CCP)に有利なメッセージを掲載しており、本物のニュースサイトから直接コピーされた記事も多く、信憑性を装っていた。
これらのネットワークは、国家主導の影響工作などを分析するグーグルの「脅威分析チーム(TAG)」がかつて警告した、親中国キャンペーン「ハイエナジー」に関連する2つの中国企業と結び付いていることがわかった。
こうした手法は、実在メディアを模したニュース風サイトを大量に作成する「ペーパーウォール」や、偽ニュースサイトとPR契約を組み合わせた「デューリングブリッジ」といった過去の作戦と共通しており、同一の手口が使われていることをうかがわせる。
今回の調査では、広報やデジタルマーケティングに関与する中国企業30社と3人の個人との関係も浮上した。
証拠によれば、中国共産党と関係のある活動を広報するための契約でなりすましドメインが使われていた可能性がある。それが偽サイトだと顧客が認識していたかどうかは不明だ。
スパムのように拡散
一部のドメインは、長年中国政府の弾圧対象だった精神運動、法輪功への攻撃を拡散し、別のドメインは中国の伝統医療や商業製品、さらには暗号資産のスキームまで宣伝していた。
大半のドメインは中国国内の読者を対象としているが、英語を話す海外の利用者向けのものも複数存在する。
偽ニュースサイトのコンテンツは、その後「スパモフラージュ」と呼ばれるスパムのような方法で西側のプラットフォーム上で拡散される。国家主導の影響工作と民間マーケティング企業が重なり合ったスキームだ。
グラフィカは報告書の中で次のように述べている。
「スパモフラージュによるコンテンツの拡散は、中国政府の支援を受けた影響力装置と民間セクターとの深い関係を強く疑わせるものだ」
「この調査は、2022年以降、中国を拠点とする関係者によって広く用いられてきた影響工作の手法に関する研究の蓄積を踏まえたものである。その手法とは、中国の民間セクターを利用して偽のニュースサイトを立ち上げ、親中的なメッセージや影響工作のコンテンツを、信頼できる記事のように見せかけて拡散するというものだ」
中国は「虚偽情報に反対」
ワシントンの在米中国大使館の劉鵬宇報道官は本誌に対し、次のように語った。「中国は一貫して虚偽情報の作成と拡散に反対してきた。また、事実に基づかない臆測や中傷、根拠のない中国への誹謗を行う一部の勢力にも断固として反対する」
プラットフォーム運営者や政策立案者が、グラフィカの調査結果を受けて行動を起こすかどうかが今後の焦点だ。
マイカ・マッカートニー
ニューズウィーク日本版
https://news.yahoo.co.jp/articles/45a868b511ab4c5a558a621118516a94ae09cb6c?page=1
引用元: ・中国、NYタイムズなど欧米の一流メディアになりすまして、大規模な影響工作 [1/17] [昆虫図鑑★]
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