【図】ひと目でわかる国別のレアアースの生産量
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■「パートナー」
「技術力と採掘・加工で優位性を持つ中国企業はマレーシアのレアアース産業のパートナーだ」――。中国外務省傘下の研究機関は今月上旬、ウェブサイトでマレーシアの産業発展には中国の参画が必要とする論考を掲載した。
マレーシアメディアによると、中国の習近平(シージンピン)国家主席は昨年4月、マレーシアを訪問し、レアアース分野での技術支援を申し出た。ロイター通信は昨年10月、中国の国有企業とマレーシアの政府系ファンドが、マレーシアでのレアアース精製施設の建設に向けた提携を協議していると報じた。
今回の論考には、中国によるマレーシアでのレアアース生産を後押しする意図があるとみられる。
■大量に埋蔵
マレーシア政府の推計によると、国内のレアアース埋蔵量は約1610万トンに上る。米地質調査所(USGS)は、中国の埋蔵量が世界のほぼ半分の4400万トンと推定しており、単純比較はできないが、マレーシアには中国の3分の1程度のレアアースが眠っている可能性がある。
ただマレーシアには採掘技術がなく、本格的な生産を行ってこなかった。国際エネルギー機関(IEA)によると、レアアース精製量の世界シェア(2024年)は中国の91%に対し、マレーシアは4%にとどまる。
■依存度低減
中国は圧倒的なシェアを武器に、レアアースの輸出規制で経済的な威圧を強めており、先進7か国(G7)などは12日の財務相会合で、中国への依存度を低減することで一致した。
日米もマレーシアとの関係強化を図っており、トランプ米大統領は昨年10月、マレーシアのアンワル首相との会談で、レアアースの対米輸出に制限を課さず、重要鉱物の確保で協力するとの覚書を結んだ。
マレーシアにレアアースの精製拠点を置く豪ライナスには、日本の大手商社・双日やエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が出資。ライナスは豪州で採掘したレアアースを希少性が高い「重希土類」に分離・精製しており、「中国以外からの供給への需要に応える」と生産能力を増強する方針だ。
双日も昨年10月、ライナスが精製した重希土類の輸入を始めた。中国以外からの輸入は初めてで、将来的に日本の総需要の3割程度の調達を目指す。
これらの動きに対し、中国はマレーシアに採掘技術を供与することで、日米との関係にくさびを打ち込む構えとみられる。
第一生命経済研究所主席エコノミストの西浜徹氏は「マレーシアが経済成長を重視すれば、中国との関係に重きを置く可能性はある。日本はマレーシアが加盟する自由貿易協定を強化し、輸出入規制できない環境を整備して経済安全保障を確保する必要がある」と指摘している。
読売新聞 2026/01/15 07:13
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20260115-GYT1T00003/
引用元: ・中国がレアアース巡りマレーシアに触手…採掘技術供与を提案、協力強化図る日米をけん制 [1/16] [ばーど★]
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