■「ウクライナより自国のロシア兵が怖い」
ロシア国内で、帰還兵による犯罪行為が深刻化している。
反ロシア政府の立場を貫く独立系メディア・メドゥーザは、国境のロシア側に位置する町、ノヴァヤ・タヴォルジャンカの生々しい事例を報じた。
同地では2023年6月頃から、住民が避難した後の住宅にロシア兵が侵入し、組織立って略奪に及んでいるという。被害後の様子を収めた写真が確認されており、叩き壊されたテレビや引き抜かれた暖房用ラジエーター、そして1カ所にまとめられ持ち去る準備が整った貴重品の山が写っていた。
砲撃を逃れてこの町を離れたある男性は、隣人から「軍服を着た見知らぬ人間が自宅に住み着いている」と知らされた。複数の機関に助けを求め、ようやく侵入者を退去させたものの、損害への補償は一切受けていない。
また、国境に面するベルゴロド州では、SNS「VKontakte」上に州知事に宛てた略奪被害の陳情が殺到。これまでに実に78件を数えるという。
国境付近に暮らす多くの住民は同メディアに、「キーウ(ウクライナ)の攻撃よりもむしろ、ロシア兵による略奪を恐れている」と語った。
ウクライナの砲撃が続き、食料や医薬品の入手すら困難な状況でも、自宅を離れない住民がいる。家を空ければ、ロシア軍が守ってくれることなど到底期待できず、自宅は彼らによって荒らされてしまうからだ。
■帰還兵による殺人が多発
ロシア軍の蛮行は、略奪に留まらない。殺人に発展する事例も相次いでいる。
米ワシントン・ポスト紙によると、今年1月、ロシア南部ナリチクで23歳の帰還兵が、殺人容疑で起訴された。公園で遭遇した87歳の女性を20分以上殴打し、死亡させたという。ナリチクはウクライナ国境から遠く離れた内陸部の都市だ。戦場で生まれた暴力が、ロシア国内の奥深くにまで波及している。
同紙が報じた別の事件では、恩赦を受けた殺人犯が2024年2月、極東ヤクーチアで2人を殺害した。犠牲者の1人は「ロシア最優秀教師賞」の受賞歴を持つヴァレンティナ・フェドロワさん(64)だった。
フェドロワさんの娘は地元メディアに「彼女の手は血まみれでした。自分を守ろうとしたのです」と証言する。遺体は見せてもらえないほど損傷が激しかった。警察に告げられたところでは、加害者は「殴打してから、農具の斧で母の頭を打ち付けた」という。
ほか、独立系メディアのアストラは、ワグネルに徴兵された元受刑者2人が7歳と9歳の少女を性的暴行した容疑で逮捕されたと報じている。
■高額報酬の甘い罠
なぜ帰還兵の犯罪がこれほど深刻化しているのか。背景には、プーチン政権が自ら生み出した構造的問題がある。
独立系メディア・メドゥーザによると、暴力犯による受刑者17万人以上がウクライナの戦場へ送られている。うち1130人以上が帰還後に再び罪を犯した。戦場で「更生」するどころか、凶暴性を増して社会に舞い戻っている。
ロシアは2024年、戦時中に軍へ入隊すれば刑事責任を免除するとの条項を刑法に追加した。2025年半ばまでに350人の受刑者がこの制度を利用して戦場へ向かった。うち118人は窃盗や詐欺、強盗で訴追中だった人物だ。41人は殺人や性的暴行などを犯した重大事犯者だった。
ワシントン・ポスト紙によると、2024年のロシア国内の暴力犯罪は61万7301件に達し、2014年以降で最多を記録した。2017年比で実に41%の増加だ。
本来刑務所で更生を期待されたり、あるいは一生をかけて刑務所で罪を償うべきだった者たちが、戦場へ向かうと宣言するだけで無条件に刑務所から解き放たれる。退役後、戻る先はロシアの一般社会だ。更生の終わっていない者たちが、ロシアの街角を堂々と闊歩する。
続きは↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/845e7bec0ad6c5d12031d59c729ae7be5f1c619b
[PRESIDENT online]
2025/12/28(日) 7:15
引用元: ・【国際/露】"17万人以上の受刑者"を兵士にしたプーチンの大誤算…ロシア人が「ウクライナ兵より怖い」と怯える本当の理由 [煮卵★]
川口化してるだけ
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