そんな細矢被告に対して中川正隆裁判長は、「性欲を満たすために被害者の人格を無視し、自己中心的に犯行を繰り返した被告人の意思決定は、強い非難に値する」などとして、「拘禁刑4年(求刑6年)」を言い渡したのだった。
’24年8月ごろから始まった細矢被告のAさんに対する痴漢行為が発覚したのは、Aさんが6月16日、友人とともに警視庁深川署を訪れ、「昨年8月初旬ごろから地下鉄の車内で週に2~3回、同じ男に体を触られ続けている。ずっと我慢していた」と相談したことからだった。18日に捜査員がAさんと地下鉄に同乗して警戒していたところに細矢被告が痴漢行為をしたため、東京都迷惑防止条例違反で現行犯逮捕した。
その後の捜査で、Aさんに性的暴行を加えていたことも発覚。深川署は7月1日に、不同意性交等の疑いで細矢被告を再逮捕した。
「彼女に雰囲気が似ていたから」
細矢被告のAさんに対する犯行は執拗なものだった。
駅のホームで待ち伏せし、Aさんの姿を確認すると同じ車両に乗り込み、背後に立って痴漢行為に及ぶ。日によってはAさんが電車を乗り換えても追いかけ、横に座って体を触ったこともあったという。そうやって痴漢行為を繰り返すうちに、いつしか性的暴行を加えようと暗い欲望を膨らませていったようだ。細矢被告は取り調べのなか、当時の心情を冒頭のように説明したあと、こう供述していた。
「被害者が知らない人から痴漢をされることに同意しているとは思っていなかった。しかし、触られたくないと思っていようが、かまわないという気持ちで、自分の性欲を満たすことを優先して犯行に及んでいました」
なぜ細矢被告はここまでAさんに執着したのか。
公判で明かされた犯行動機は、当時、関係がうまくいっていなかった同棲中の女性にAさんが似ていたという、あまりにも身勝手なものだった。細矢被告は弁護人の「なぜAさんだけを狙ったのか」という質問にこう答えている。
「(同棲していた)彼女とのちょっとしたすれ違いからセックスレスになって、欲求不満な状態になっていました。被害者さんが、彼女に雰囲気が似ていて、彼女との欲求不満を満たすために、被害者さんだけに加害行為をしていました」
細矢被告によると、職場での異動による慣れない仕事や家族との関係からくる悩みなど、たまったストレスも犯行に至った原因だという。
引用元: ・【判決】「性欲のために被害者の人格を無視」同じ女子高生に10ヵ月痴漢し続けた男に拘禁刑4年
性欲は人格とは別やからな
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