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王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
未成年の少女らを巻き込んだ大規模な性的搾取をした疑いがある米富豪ジェフリー・エプスタイン元被告。搾取の現場となったとされるのが、元被告が所有していた“エプスタイン島”だ。その島の内部写真が、12月3日(現地時間、以下同)、米・下院監視委員会の民主党の委員によって、新たに200枚近く公開された。【全3回中の第2回。第1回から読む】
多くの富豪や著名人、政治家と親交があった元被告は、11歳の少女を含む少なくとも数十人の未成年の女性の人身売買を行うための大規模な“買春ネットワーク”を持っていたとみられている。元被告は勾留中の2019年8月10日に死亡しており、本人に対する刑事裁判は強制的に終了しているが、今もなお真相究明を求める声は止まない。
今年2月27日には、アメリカ司法省が広報局のホームページにて、約200ページにおよぶ機密指定文書を公開。しかし、そのほとんどが過去に公開された裁判資料などと重複しており、最も重要とされる「顧客リスト」は含まれていなかった。
その後、パム・ボンディ司法長官(60)は、FBIに対して全資料の引き渡しを要求したが、7月に司法省は「捜査資料を精査した結果、顧客リストなるものは存在せず、エプスタイン元被告が著名な人物を脅迫していたという証拠は見つからなかった」と発表。この結果を受けて、怒りを抑えきれなかった被害者らが“独自の顧客リスト”作成を宣言。米ニュースメディア・CNNのインタビューにも応じ、悲痛な思いを告白している。大手紙国際部記者が解説する。
「被害者の1人、コートニー・ワイルドさんがエプスタイン元被告と出会ったのは14歳の頃。中学時代はトランペットの首席奏者やチアリーダーのキャプテンを務める優等生だったというが、高校に入学する直前、両親が薬物中毒の末にホームレスに。その後、友人を介してエプスタイン元被告に雇われ、彼の邸宅で男性相手に“マッサージ”をしてお金を稼いでいたといいます。
ワイルドさんは、元被告が彼女を巧みに支配していたと語りました。事件発覚後の政府の対応は“新たな虐待だ”と主張しており、被害者の保護と事件に関する情報の透明性を求めました」
そうした動きのなか、このたび新たな資料の公開に至った。
引用元: ・《10代少女らが被害に遭った“悪魔の館”内部は…》米・エプスタイン事件、約200枚の現場写真が新公開 [582792952]
不気味なオブジェの数々
資料の多くは、今回初めて公開されたものだ。エプスタイン島を上空から捉えた写真や、島内に位置する元被告の邸宅の外観写真、さらには部屋ごとの内部写真までも明らかにされている。 現地メディアによると、この館は1990年に元被告が250万ドル(約3億8823万円)で購入したもの。約1321平方メートルの広さの中に、6つのベッドルームと7つのバスルームが備えつけられている。
「ある部屋には、一糸纏わぬ姿の人魚を象ったライトスタンドや、女性がモデルとされる複数の絵画、〈私こそが主役だ(I AM THE SUBJECT)〉と書かれたアートなど、元被告のコレクションとみられる物がいくつも保管されており、そこから彼の財力や趣味嗜好を垣間見ることができます。
奇妙なのは、歯科医院のような設備を持つ部屋です。部屋の中央に歯科用のチェアユニットが配置されており、四方の壁にはリアルな中年男性の顔を模した仮面のようなものが至る所に掲示されている。元被告がこの部屋をどのように使用していたかは不明ですが、チェアに座ると全方位から中年男性に監視されているような気分になるのでは……。一般客を招いて施術するには向かない空間といえます」
下院監視委員会の民主党のリーダー、ロバート・ガルシア議員は、調査の透明性を確保し、エプスタイン元被告の犯罪の全容を解明するために公開したと説明している。くわえて、「トランプ大統領は今すぐ全ファイルを公開するべきだ」と主張した。
実際、トランプ大統領は、11月19日に「エプスタインファイル」を30日以内に可能な限り公開することを司法省に義務付ける法案に署名している。その期限はもうそこまで迫っているのだ──。
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