一連の最新世論調査は、ドナルド・トランプ大統領と共和党にとって厳しい状況を浮き彫りにした。トランプの支持率は2期目の最低水準に落ち込み、「MAGA(アメリカを再び偉大に)」を掲げる支持層の結束にも綻びが見える。
ヒスパニック層の支持も低下し、民主党はかつての保守地盤で接戦を演じている。主要な全国調査すべてで、トランプは不支持が支持を上回る状態、つまり「マイナス圏」に沈んでいる。
こうした動きは、連邦議会の勢力図を塗り替え、2028年以降の共和党の戦略にも影響を与えかねない。
米政治専門メディア「ポリティコ」による調査では、2024年にトランプに投票した有権者のうち3分の1以上が、自身を「MAGA共和党員」と見なしていないことが明らかになった。
彼らは下院・地方選における共和党候補をあまり支持しておらず、経済や生活費に関するトランプの対応にも批判的だ。経済政策に関して共和党を「信頼している」と答えた割合は、MAGA支持層では88%、その他のトランプ支持層では63%にとどまった。
米世論調査機関ギャラップの調査では、トランプの2期目の支持率が36%まで低下し、不支持は60%に達した。共和党支持者の間でも支持率は84%と前回比で7ポイント減少。無党派層では25%まで落ち込んでいる。
評価がプラスとなったのは「治安」分野のみで、経済、移民、連邦予算に対する党内の信頼も低下している。
米エマーソン大学と政治専門メディア「ザ・ヒル」による共同調査では、2024年にトランプが22ポイント差で制したテネシー州第7選挙区の下院選が、現在では「統計上の誤差範囲内」の接戦となっている。
民主党候補アフティン・ベーンは、共和党のマット・ヴァン・エップスにわずか2ポイント差まで迫っており、情勢は拮抗している。
ピュー・リサーチ・センターによる最近の調査では、ヒスパニック系成人の3分の2が、トランプの移民政策に「不支持」を表明。さらに61%が、彼の経済政策で「生活が悪化した」と回答している。
2024年にはトランプはヒスパニック層の一部からの支持を伸ばしたが、支持は大きく後退しており、現在好意的に見ていると答えた割合は25%と、2期目開始前の44%から大幅に減少している。
選挙情報専門サイト「バロトピーディア」の調査インデックスは、ユーガブ、CBSニュース、フォックス・ニュース、ロイター、AP通信など主要メディアの全国世論調査を集約したもの。ここでも、トランプの平均支持率は42%にとどまり、不支持は55%で、マイナス圏に沈んでいる。
「仮に数ポイント差に迫るか、ひっくり返すことができれば、ワシントンの共和党に対し、今彼らが掲げている政策は有権者に歓迎されていないことを明確に示せる」
「人々は生活必需品を買うのにも苦労しており、その責任を政権に求めている。その苦境を作った張本人ともいえる民主党が、政治的には得をしているように見えるのは興味深い」
連邦議会の主導権がかかる2026年の中間選挙は、次の大統領選の行方を占う重要な試金石となる。加えて、12月2日には超保守地盤のテネシー州の特別選挙が行われる。
民主党が共和党の議席を奪えるかどうかが注目されており、全米の政治潮流を測る即時的な指標となる。
※本記事で引用した調査は以下の通り。いずれも2025年11月中旬~下旬にかけて実施され、回答者数は各社1,000~1,500人程度、誤差範囲はいずれも±3%前後とされている。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2025/12/580264_1.php
引用元: ・【米最新世論調査】トランプ大統領支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
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