
2025/11/26 6:00 (2025/11/28 15:55 更新)
【北京・伊藤完司】
日中関係が緊張する中、中国メディアは相次いで中国と日本を結ぶ航空路線の欠航や航空券のキャンセルを伝えている。高市早苗首相の台湾有事を巡る発言が日本経済に与えたダメージを強調する狙いがあるとみられるが、そもそも存在しない路線が含まれるなど「宣伝色」も垣間見える。
引用元: ・中国 南京-福岡路線をデッチ上げたり経済ダメージを誇張して報じる傾向【西日本新聞】 [789920621]
国営中央テレビは20日、今月15日以降、日本行きの航空券のキャンセルは54万件を超えたと報道した。高市首相の発言によって「中国人観光客の消費を失えば日本の観光業にとって、この冬は耐えがたいものになる」と指摘した。 別の中国メディアは24日、南京-福岡を含む日中間の一部の12路線で全便が欠航になったと報じた。しかし、南京-福岡は近年は運航していない。福岡空港関係者によると、同空港で現在欠航が決まった日中路線は大連-福岡(春秋航空、週1便)だけだという。
日本政府観光局によると、1~10月に日本を訪れた外国人客は3554万人に上り、中国人は最多で820万人。中国外務省は今月14日に自国民に日本訪問を当面控えるよう呼びかけた。現在も緊張緩和の糸口が見られず、影響の拡大が懸念されている。
日本から中国を訪れる観光客や出張者も、これまでの中国当局による相次ぐ邦人拘束などの影響で「大幅な増加は見られない状況」(関係者)。中国の航空会社は最近まで新規就航や増便を継続しており、航空業界では利益を度外視して路線拡大を図っているとの見方があった。北京の経済関係者は「赤字路線を整理する面もあるのではないか」と話し、今後の推移を注視している。