◆SNSで「移民が増えて治安が悪化する」…不安広がり
「国際交流は意義があり、続けた方がいいという多くの市民の声がある」。長井市の平直人・都市交流推進室係長は、「こちら特報部」の取材に対してこのように述べた。
市は2016年、東京五輪・パラリンピックでタンザニアのホストタウンに登録されたことをきっかけに、市の訪問団が現地を訪れるなど交流を続けてきた。2018年からは、タンザニアから人材を派遣してもらい、スポーツを通じた国際交流や競技力向上に取り組むスポーツ国際交流員(SEA)に委嘱している。
一方で、JICAが今年8月にホームタウン構想を発表すると、交流サイト(SNS)を中心に「移民が増えて治安が悪化する」などの不安の声が広がった。長井市にも約8000件の問い合わせや苦情が殺到。職員が対応に追われた。
JICAは9月下旬に構想の撤回を発表。当時は、長井市とタンザニアの取り組みは未定だった。スポーツ以外の分野へ交流を拡大し、両国の子どもが訪問し合う青少年育成事業などを視野に入れていたものの、JICAの支援がなくなり実現できなくなった。
◆タンザニアから来日「滞在中に差別を受けたことがない」
10月下旬にも市役所前で抗議デモがあり、今も不信感は払拭されていない。一方で市は、SEAの受け入れを継続する意向だ。また同月19日には長井マラソンを開催し、タンザニアの選手6人を招待した。(略)
2023年8月から2年間、SEAを務めたエリック・ムフガレさん(37)は取材に「ホームタウン構想の中止はとても残念だ。交流をさらに強化するチャンスだった」と嘆く。
ネットでの差別的な言葉に対しては「日本滞在中に一度も差別を受けたことがない」と戸惑う。ホームタウン構想を巡ってはタンザニアの現地メディアが「同国に日本が長井市をささげる」と訳せる表現を使い批判された。ムフガレさんは騒動の原因を「この誤報で誤解が広がった」とみる。
◆「日本は第二の故郷…今日にでも戻りたい」
(略)現在は政府の省庁で働くムフガレさん。「長井市の人々と過ごした日々はとても温かかった。日本は第二の故郷だ。できることなら今日にでも戻りたい」
◆長井マラソン参戦のトップ選手に「子どもは目を輝かせている」
(以下有料版で)
東京新聞 2025年12月1日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/452798
引用元: ・JICA「ホームタウン」撤回その後…1市のみ相手国と交流を継続 批判もあった中、決断に至った理由とは-長井市 [蚤の市★]
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