国側は解決金60万円の支払いに応じるとともに、異例の条件として全職員を対象とした人権研修の実施と再発防止策の組織体制づくりを約束。同日、会見を開いた弁護団は「勝訴判決以上の価値がある」と評価した。
「食器口」から陰部触り続ける
「俺じゃ興奮しないんだね」
東京拘置所の独房前で、刑務官はそう言い残して去っていったという。被害にあったのは当時32歳の男性被収容者だった。
事件が起きたのは2021年12月28日の夜。就寝準備の時間帯、夜勤の男性刑務官が、睡眠導入剤を交付するため男性の居室前を訪れた。
刑務官は「さっきやってた?」「いつもどこでやってるの?」「大きいの?」などと性的な質問を執拗に繰り返し、やがて「陰茎を見せてほしい」と要求したという。
男性は拒めないと感じ、やむなくズボンと下着を膝まで下げ、独房扉の「食器口」と呼ばれる小窓に陰部を近づけた。すると刑務官は小窓から手を差し入れ、陰茎を握って前後に動かしたり、陰嚢を揉んだり、指で弾くように触り続けたりした。
最初は数十秒、その後「もう一回見せて」と再度命じ、約5分間にわたり性的なハラスメントを加えたとされる。
しかし、男性は勃起することはなく、それを見た刑務官は立ち去った。ただ、年末で職員も少ない中、男性は「(刑務官が)また来るんじゃないか」という恐怖を抱えたまま過ごしたという。
引用元: ・【裁判】「まさか性被害者になるとは」男性被収容者、刑務官から性被害
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