日本人はもっと働くべきだと、政財界で影響力を持つ人の多くが考えているらしい。
報道によれば高市早苗首相は政権発足早々、残業時間の規制緩和を検討するよう厚生労働大臣に指示した。10月21日、マネックス証券のチーフ・ストラテジスト、広木隆は世界のフィンテック業界を結ぶ非営利団体GFTNのフォーラムに登壇し、「日本人は働き者とはいえない」とコメントした。
では日本人は怠けているのか。2024年のOECD(経済協力開発機構)の統計を見ると日本人の年間平均労働時間は1617時間で、ベルギーやオーストラリアと同水準だ。日本人は怠け者だと主張する専門家はおらず、日本はむしろ過酷な労働環境で知られている。
厚生労働省によれば、今も男性のおよそ10%が週に60時間以上働く。長年ワークライフバランス政策が推進されてきたにもかかわらず、多くの労働者が今も仕事中心の生活に耐え、過労死もなくならない。
私は日本に住んで30年になるが、日本ほど仕事が個人のアイデンティティーに染み付いた国、家族でさえもが仕事の後回しにされる国はほかに考えられない。
本来、労働人口が縮小すれば労働者1人当たりの生産性は上がるはずだが、日本では急激に落ちた。OECDによると2000年にアメリカの70%だった生産性が、今は60%を割っている。
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外国人の目に、今の日本は「不思議な仕事の見本市」と映る。高い能力を持つ人々がスマートフォンで読める新聞を配達し、案内板や看板を持って立ち、キャッシュレス決済を普及させれば不要になる現金を自動販売機から回収・補充して回る。
厚生労働省の推計では8万5000人近くが雑踏・交通誘導警備員で、その多くが60歳以上。猛暑でも大雪でも彼らは低賃金で工事現場などに立ち、よその国には存在しない無意味な仕事に従事する。
労働力の無駄遣いの中でも目に余るのが、無用な仕事や座ってできる仕事を立ちっ放しでする人々だ。毎朝私は通勤時に防衛省の前を通るが、ゲートには14人もの警備員が立ち、公用車が来るたびに世話を焼く。まるでミュージカルの一場面だ。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/5b9a959f3216f4eacd661bd8af50795e033bfa9d
引用元: ・【国際】炎天下や寒空の下で何時間も立ちっぱなし…労働力を無駄遣いする不思議の国ニッポン