「死神(しにがみ)」の異名を持つ機関車がある。引退した列車を廃車工場に連れて行く役目が、その名の由来だが、車両整備の効率化の流れの中で、11月を最後に客車を引っ張る営業運転から引退する。
「死神」自身の寿命が尽きる日も刻一刻と近づいている。
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長岡駅(新潟県長岡市)の南側に広がり、かつては上越線の車両基地として多くの機関車や電車が配置されていた旧長岡車両センター。
2023年に基地機能は鉄路で60キロ余り離れた新潟車両センター(新潟市)に移ったが、電気機関車「EF64形」の3両は、メンテナンス設備がそろう長岡を拠点とし、整備担当者は新潟から通う。
EF64形は国鉄時代の1964年、上越線などの勾配線区向けに開発され、計132両が製造された。
このうち、長岡の1030号機、1031号機、1032号機は、基本タイプから大幅に変わり80年代初期に製造された型式で、豪雪地帯向けに防雪設備を強化した。
青い客車で人気を集めた寝台特急「ブルートレイン」の現役時代には、金沢に向かう「北陸」や、青森に向かう「あけぼの」の牽引(けんいん)に活躍した。
■山岳路線で運行、「山男」の呼び名も
EF64形は力強く山岳路線を駆け上る姿から「山男」と呼ばれた。この3両だけに「死神」の名が付いたのは、特殊な装備にある。
通常、動力を持たない客車や貨車を牽引する機関車は、電車とは連結器のタイプが異なる。
ところが、3両はどちらにも対応できる「双頭連結器」を備え、電車も牽引できる。このため、主に首都圏を中心に引退した車両を連結して、長野県内にある解体場所まで運ぶ「廃車回送」の役目を担い続けてきた。
今年6月は特急「踊り子」などとして親しまれた「185系」、9月には豪華寝台特急「カシオペア」を廃車回送した。
SNS上では、引退した人気列車を惜しむ声とともに、先頭を行くEF64形を指して「死神現る」といった声があふれた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/65cf77a62fbe707ca68b5239f6e3d23874eff35e
引用元: ・「死神機関車」ラストランへ 「廃車回送」担い続け、自らも近く廃車 [567637504]