10月の初め、鉄道ジャーナリストなんて肩書きもない単なる時刻表愛好家である私の元に、突如、驚くべき情報が届いた。和歌山県のローカル鉄道である紀州鉄道が廃線の危機。早ければ2026年中に廃線の可能性もあるという。
■親会社は不動産会社
■3年前に中国の会社が買収
■値上げできない「意外な理由」
■結局どうなった?
その後、取材日程調整のメールのやり取りの際に大串部長に状況を聞くも
「親会社が新たな事業者に事業譲渡金を出してくれたら、企業や鉄道好きな経営者が興味を示してくれると思うのですが……」
「廃線濃厚な状況です」
といった状況で、前向きなメッセージは返ってこなかった。
10月21日、都内で再会。待ち合わせた喫茶店に到着した大串部長は、注文したアイスミルクティーを一口飲むと、落ち着いた口調で言葉を発した。
「とりあえず、最悪の事態は回避できましたわ」
こちらもホットコーヒーを一口飲んで、大串部長の次の言葉を待つ。
「正式な金額は言えませんが、事業譲渡金の話もまとまりました。鉄道事業を引き継ぐ企業を探す時間をもうしばらく取っていただけることになりました」
大きな山場を超えたという感じだが、大串部長は顔を引き締めて言葉を続けた。
「ただ『引き継ぐ企業が見つかるまでの間の運行費用を削減するために列車の本数を減らしてほしい』と。利用される方には申し訳ないのですが、今後、運行本数を減らす方向で各所と調整を行う予定です」
削減の対象となる列車は、乗車人数の少ない昼間の時間帯を考えているという。
「とりあえず、猶予はできましたが、鉄道事業を引き継いでくれる相手が見つからなければ廃止となってしまうことに変わりはありません。ですが事業譲渡金の話もまとまったので話が進めやすくなりました。
今後は、地元企業をはじめ、関西の企業、全国の企業に声をかけて行きます。また、鉄道事業に興味のある企業様には手を挙げて頂きたいと切に願う次第です」
https://news.yahoo.co.jp/articles/f88057bf231d7d6377905585b743ec3bd62b3ee0
引用元: ・大ピンチ「紀州鉄道」2026年中に廃線の可能性も 中国系企業に買収され方針変更、値上げもできず [567637504]
■鉄道事業の買収に手を挙げる企業はあるか?
紀州鉄道は老朽化すると脱線事故の要因となる木製枕木から、コンクリート製の枕木に置き換える工事が9割ほどの区間で完了しており、残るは300mのみ。これが完了したら軌間拡大の脱線事故が皆無になりより一層安全を担保に運行することができる。
JRと線路がつながっておらず、ポイントレールも本線から車両を留め置くための引き込み線に分岐するために設置されたもの2つしかない。トンネルもなく、全線で2.7kmしかないといった鉄道のため、ほかの鉄道会社と比べて運行費用や施設の維持費用が安い。
競走馬を所有するような富裕層の個人であれば所有することも可能な金額だ(所有するためには国土交通省のハードルの高い審査が必要となると思われるが)。
「地域に愛されているミニ鉄道、経営規模が小さい路線ということを最大限にアピールして、現在年間約5000万円前後の赤字を半分近くにまで削減できるよう鉄道事業部の方で動いております。
もちろん地元の方々や行政の協力も必要となりますが、御坊と西御坊を結ぶ2.7kmのミニ鉄道をなんとしても存続するよう動きます。売りは『日本一短いローカル私鉄』です。国内の資金力のある企業様への譲渡に最後の望みを託します」
取材後「記事ページに使うため、大串部長の写真を撮らせていただきたい」と頼んだが「すみません。今の時点では100%の笑顔が作れませんから。
存続の道筋がつけられたら、写真を撮ってください」と断られた。が、その表情は12日前に見ることができなかった柔らかいものだった。
鉄道だけじゃあやっていけないからな。
本業は不動産業みたいなものだった気がする。
しかし、中華企業もなぜこんな会社を買おうと思ったのか
全国から高いカネ払って運転したい人間が集まるで。
(´∀`)
Ο┳Ο )
◎┻し◎≡