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日産で日本の顧客離れ深刻、ブランド回復には時間-見通しに甘さも
堀江政嗣、稲島剛史
ブルームバーグ
経営再建を目指す日産自動車にとって、低迷を続ける国内市場が復活への妨げとなっている。経営の混乱が続く中でネガティブなイメージが定着したことが背景にある。会社側は下期に販売が好転すると強調するが、失われた信頼を取り戻せるか不透明感も残る。
日産が6日に発表した7-9月期(第2四半期)の国内販売台数は前年同期比21%減の9万8000台だった。北米以外のすべての地域で販売減となったが、下落幅では最も大きい。
人口減少などで国内市場規模が縮小傾向にある中、自動車メーカー各社は海外に成長の活路を求め、日産でも世界販売に占める国内販売台数は2017年3月期には9.9%だった。だが中国での販売激減などもあって前期は15%近くまで上昇し、重要度は相対的に高まっている。地域別の営業損益でも主力の北米が大幅な増益となったのに対して日本は125億円の赤字に転落、業績の足を引っ張った。
引用元: ・日産 なんでお前ら日本人は買いにこないの!?SNSもさぁ… 関税なければ実質黒字なのに [789920621]
「日産、完全に終わる」「日産遂に倒産3秒前」「日本を捨てた悲惨な末路」-。業績悪化が表面化し、決裂に終わったホンダとの経営統合交渉を巡るごたごたもあって昨年後半以降、SNS上では日産に批判的なこうしたタイトルの動画が大量に出回った。事実と異なる内容も含まれているが影響は大きい。
自動車調査会社、カノラマの宮尾健アナリストは「経営のごたごたで消費者への悪いイメージが定着してしまっている。いくらいいクルマ出しても日産の車だからというネガティブな印象はぬぐえない」とみる。特に最近のSNS上の悪意のある投稿は「買い控えに直結する」と話した。
イヴァン・エスピノーサ社長も6日の決算会見で、顧客の日産の業績への懸念から、上期は販売店への来客数が減ったことを明かした。足元では状況は好転してディーラーへの客足も戻っていると強調した。下期(10-3月)には軽自動車「ルークス」など新車効果もあって販売の回復が見込めるという。
下期には8年ぶりにフルモデルチェンジしたEV「リーフ」や、部分改良ではプレミアムセダンの「スカイライン」、クロスオーバー電気自動車(EV)「アリア」なども控える。ただ識者からは想定通りに改善するか不透明だとの見方があがる。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の吉田達生シニアアナリストは、販売台数増加、構成改善、営業費抑制について楽観視はできないと述べた。
目標未達の過去
日産では長く身の丈に合わない計画策定が常態化し、市場や部品サプライヤーとの信頼関係に影を落としてきた。
6日に発表された決算資料では経営再建計画の一環として26年度末までに米国の関税影響除きで自動車事業の営業利益の黒字化とフリーキャッシュフローをプラスにする目標について「関税影響を除く」とこれまでになかったただし書きが付けられ、波紋を呼んでいる。
会社側は5月に計画を発表した時から同目標は変わっていないとしたが、一貫しない対応に識者からは厳しい声が上がる。
英調査会社ペラム・スミザーズ・アソシエイツのアナリスト、ジュリー・ブート氏は、日産は目標の達成が困難であると認識したとの見方を示し、今回の条件追加について「これは一種の見えざる下方修正だ」と評した。目標達成を容易にするために日産は関税影響を除外したが、「関税は為替や商品価格の変動と同様に経済的現実だ。無視することはできず、目標設定時に含める必要がある」と続けた。
BIの吉田氏も、関税が大きな影響を及ぼす中で関税影響除きという「『たられば』が持つ意味は希薄になっている」と指摘する。経営危機にある日産であればなおのことだとし、「『たられば』ではなく、関税影響下という厳しい現実のもとで経営再建は進ちょくしているのかが、市場・投資家の関心事だ」と言う。
エスピノーサ氏は決算会見後、記者団に対して経営再建に向けた取り組みで成果が出ており、今期の業績は公表した予想よりも改善できる可能性があるとの考えを強調した。その上で、「当社は何度も目標未達に終わっているため、慎重な見方をしている」とも続けた。
まあこうなるよね