ウクライナへの侵略を続けるロシアは欧州内への領空侵犯を続けており、対抗するため各国の軍事力強化が急務となっているためだ。
■予備役扱い
クロアチア議会は10月24日、徴兵制再開の改正法案を賛成多数で可決した。来年から、2007年生まれの男性4000人が2か月間にわたり、武器やドローンの扱い方や応急処置の方法などを学ぶ。
徴兵制は08年に停止されており、再開は18年ぶりとなる。クロアチア国防省は声明で「欧州の動向や安全保障の変化に伴い、軍事訓練を再び始める。
危機的状況で必要となる知識や能力を若者に習得させ、国家安全保障に貢献する」と強調した。
兵役期間中は月1100ユーロ(約20万円)が支給され、訓練後は原則予備役扱いとなる。政治信念などで兵役を拒否する場合は、「社会奉仕」を選択できる。
11年に徴兵制を停止したドイツでも8月に新たな兵役制度導入に関する法案が閣議決定された。緊急時に徴兵できる国民を可視化するため、18歳の男女に身体能力や入隊意思を問うアンケートを実施し、男性に身体検査を義務づける。
十分な志願兵が集まらない場合に、議会の承認を得て徴兵制を再開できる条項を盛り込んだ。
このほか、デンマークは7月、男性に限っていた徴兵制の対象を女性にも拡大する措置を開始した。
■危機感
各国が強く意識するのはロシアの存在だ。ドイツやクロアチアなどが加盟する北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長は6月、ウクライナを侵略するロシアが「5年以内に加盟国に軍事力を行使する準備を整える可能性がある」と懸念を表明。
9月以降には、露軍の戦闘機やドローンによる加盟国への領空侵犯が相次いでいる。
欧州ではロシアへの対応が急務となるなか、兵力確保が大きな課題になっており、徴兵制は一つの解決策となる。
ただ、冷戦終了後に徴兵制から志願制に切り替える国が相次いでおり、現在も徴兵制を維持するのは、ギリシャやノルウェーなど一部にとどまる。
クロアチア国防省は「徴兵制廃止後の17年で、約30万人が軍事訓練を受けなかったことになる」と説明し、徴兵制再開の意義を強調する。
ドイツは現在計約28万人に上る兵士と予備役を、30年代に計46万人にまで増やす方針を掲げる。
■公平性
一方、徴兵制を巡っては、公平性の担保が課題となっている。クロアチアでは、軍事訓練の終了者は公的機関や国営機関に就職する際に有利になるという。
野党は「過度な優遇で、兵役対象ではない女性への差別だ」と批判している。
また、ドイツでは連立与党の中道右派キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は、志願兵が足りない場合の徴兵対象者は抽選で決めるべきだと主張する。
だが、与党内や多くの国民から反対の声が上がる。近く、連邦議会で抽選による徴兵の是非を巡る議論が本格化する見通しだ。
引用元: ・【欧州】徴兵制拡大の動き 18年ぶり再開や条件付き審議入り [1ゲットロボ★]
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