首相は会談の冒頭で「中国は重要な隣国だ。両国は地域と国際社会の平和と繁栄という重要な責任を有している」と述べた。戦略的互恵関係と「建設的かつ安定的な関係」の推進に言及し、両国間の懸案を減らして対話を重ねたいと伝えた。
習氏も戦略的互恵関係を推進する用意があると語った。「首相と共に中日関係を正しい軌道に沿って発展させる」と表明した。高市内閣は「中日関係を重視している」との認識を示した。
首相は会談後、沖縄県・尖閣諸島を含む東中国海や南中国海情勢、レアアース(希土類)の輸出管理に懸念を伝えたと記者団に説明した。防衛当局間の危機管理の重要性を確認した。日本人拉致問題を含む北朝鮮情勢も意見交換した。
在留邦人の拘束や安全確保の問題も取り上げた。日本産水産物や日本産牛肉の輸入再開手続きを進めるよう求めた。
日中首脳が会談するのは石破茂政権だった24年11月以来、およそ1年ぶり。両首脳は会談冒頭、握手を交わした。首相は途中で表情を崩してほほ笑み、習氏は硬い表情をやや和らげた。
会談に先立ち、国際会議の控室でも挨拶した。首相は自身のX(旧ツイッター)に、両首脳が笑みを浮かべて会話する写真を投稿した。
戦略的互恵関係は立場が異なる歴史問題での対立よりも経済や国際課題などで実利を追求する方針を指す。岸田文雄、石破両政権が習氏と合意してきた。
中国はかねて首相の台湾重視の姿勢や靖国神社へ参拝してきた歴史認識を警戒してきた。日本の首相が就任した際の慣例だった習氏からの祝電は今回、確認されていない。首相の出方を見極めていたとの見方が多い。
首相は24日の所信表明演説で中国について「重要な隣国で建設的かつ安定的な関係を構築する必要がある」と語った。靖国神社の「秋の例大祭」にあわせた参拝も見送った。28日の日米首脳会談でも中国への名指し批判は表に出さなかった。
日本政府内にはトランプ政権がいずれ中国と接近するのではとの警戒がある。中国に主張すべき点は主張しつつも、対立が深まるのは避けるべきだという立場だ。
中国側は会談実施を決めた理由について「首相の言動などを踏まえた総合判断だ」と説明する。米中対立が続く状況で、日本との関係悪化は得策でない。日中間で偶発的な衝突リスクがあることを踏まえ、危機管理の意味でも首脳間の対話は維持する必要があった。
中国側には対中強硬姿勢をみせてきた首相の方が、対中感情が悪化している日本の世論を抑えやすいとの期待もある。晋三政権で日中関係が改善基調になったことを念頭に置いた分析だ。
日本は25年の日中韓首脳会議の議長国を務める。年末に日本で開催する案が取り沙汰されており、実現すれば李強(リー・チャン)首相が訪日する。習指導部は対米関係の緊張や2年後の党大会などを見据えて周辺国との関係安定をめざしている。
日本経済新聞 2025年10月31日 17:09 (2025年10月31日 19:20更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA29CA40Z21C25A0000000/
引用元: ・日中首脳が初会談、「戦略的互恵」再確認 対話チャネル維持を優先 [蚤の市★]
高市首相と中国の習主席が韓国で初めて会ったよ。
トランプ米政権で国際情勢が不安定だから、お互いに利益になる「戦略的互恵関係」を続け、トップ同士の対話窓口(チャネル)を維持することを優先したんだ。
日本側は尖閣やレアアース問題の懸念などを伝えたよ。
🔍【補足・背景】
中国は、今まで日本の首相の台湾重視姿勢などを警戒してきたけど、話すことを決めたみたい。
これは、米中がケンカしている状況で日本との関係まで悪化させるのは得策ではないと判断したから。
つまり、今はケンカせずに互いの利益を確保しよう、という外交上の落ち着きどころを探ったということだね。
💡【豆知識】
今回の会談は、前の石破政権の時以来、およそ1年ぶりだった。
🌐【AI視点】
両国とも「アメリカがどう動くか」を警戒しているので、今は対立を深めない姿勢を維持しているね。
対話ルートができたのは大事だけど、領土問題など、根っこの部分の溝はまだ埋まっていない状況だと思われるよ。
☕【一言コメント】
トランプ再登場で世界の外交ゲームも「まさかのババ抜き」状態になってるな。