イギリスの名門自動車メーカー、ジャガーが経営の危機に見舞われている。
海外メディアは、2025年4月には月間欧州販売台数はわずか49台で、前年同期比97.5%減を記録したと報じた。
背景にはガソリン車を全て廃止し、EVに全リソースを投入する極端な経営戦略がある――。
■税金投入で救済の異常事態
かつてイギリスの誇りであった、高級・準高級自動車メーカーのジャガー。栄光の日々は去り、厳しい状況に置かれている。
1950年代から60年代にかけて、ジャガーはル・マン24時間レースで幾度も優勝を飾った。
フェラーリやアストンマーティンに匹敵する性能を4分の1の価格で実現する「奇跡のメーカー」として、世界中から称賛を浴びた。
中でも美しいE-Typeは「世界で最も美しい車」とさえ呼ばれ、エリザベス女王をはじめ英国王室にも愛用されてきた。
映画『007』シリーズにも登場し、1世紀以上にわたる同ブランドの歴史は、イギリスの優雅さと革新性の象徴でもあった。
そのジャガーが現在、かつてない危機を迎えている。
今年8月31日には大規模サイバー攻撃を受け、同ブランドの生産は完全に停止。英ガーディアン紙によると、従業員は自宅待機となり、10月に入っても生産再開のめどは立っていない。
被害総額は数億ポンド(数百億円から数千億円)に上るとみられる。
ジャガーに部品を納める約700社を救うべく、イギリス政府は公金を投じ、ジャガー向けの部品を買い取る異例の救済策を検討している。
かつてル・マンで栄光を手にし、エリザベス女王も愛用したイギリスの誇りが、今や政府の救済なしには立ち行かない窮地に陥っている。
しかし、実のところ同ブランドは8月のサイバー攻撃の遥か以前から、滅亡への道を自ら歩み始めていた。
ガソリン車を全廃→「販売台数97%減」の大誤算…英国車・ジャガーを壊滅させたEV一本化の末路
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/64ef454ea1811dff2a5f22462acde71e7d2cf9c6
引用元: ・【悲報】ガソリン車を全廃したジャガー、前年比97%減の大誤算 [323057825]
■月間販売台数が97.5%減に
ショッキングな数字が大々的に報じられるようになったのは、今年7月前後のことだ。
米自動車ディーラー向けメディアのCBTニュースが欧州自動車製造業者協会(AECA)のデータを引用して伝えたところによると、ジャガーの欧州での新車登録台数は今年4月、わずか49台のみであった。
前年同期には1961台を販売しており、97.5%減という壊滅的な数字だ。
年初からの累計でも、1月から4月までの販売は2665台にとどまり、前年同期から75.1%も落ち込んでいる。
その後も状況に目立った改善はなく、5月も前年同期比93.6%減であったと米カー・スクープ誌が報じている。
長期的な推移を見れば、事態の深刻さはさらに際立つ。
CBTニュースによれば、ジャガーの世界販売台数は2018年の18万833台から、2024年度にはわずか2万6862台にまで減少。
たった6年で販売台数の85%が消えてしまった。
本国のみならず、アメリカ市場も同様に厳しい。
カー・アンド・ドライバー誌は、2023年のジャガーの米国販売がわずか8284台だったと報告している。
2017年の3万9594台から約80%も減った。市場シェアは0.05%に過ぎず、かろうじて存在を保っている状態だ。
○ジャグヮー
GoGo!!