野生イノシシによる農産物被害が、北東北(青森、秋田、岩手)で広がっている。
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全国では被害が縮小する一方、北東北では降雪量の減少に伴って野生イノシシの生息域が広がり、農産物被害額は過去最大規模になった。高齢化などによる狩猟者の減少も被害拡大に拍車をかけている。
温暖化とともにイノシシの生息域は北上を続けてきた。岩手では10年度、秋田が16年度、青森が19年度にそれぞれ初めて被害が確認された。
農水省によると、全国のイノシシによる農産物被害額は36億2669万円(2023年度)で、5年前に比べて11億円強(23%)減少した。
一方、北東北の被害額は7709万円(同)で同じ期間で4・4倍に膨らんだ。ナガイモがイノシシの被害を受けた青森県内の農家は、畑に有刺鉄線を張るなどしてきたが「農家だけの対策では限界だ」と話す。
イノシシの生態に詳しい岩手大学農学部の出口善隆教授は、降雪量の少なさを要因に上げる。気象庁によると、25年までの10年間で東北の降雪量が平年を上回った年は2年しかない。
積もった雪も暖冬であまり残らなくなり、「北東北でもイノシシが生息しやすい状況になった」と話す。青森県の担当者は「特に太平洋側の雪が減っている。岩手県側からイノシシが北上し、青森で繁殖が進んでいる」と語る。
狩猟者も減少している。青森県の23年度の狩猟免許所持件数は1888人。ピーク時の1981年度から5000人以上減った。高齢化で猟友会が解散した地域もある。秋田県でも23年度までの20年間で狩猟者登録数が1528人減少した。
これまでイノシシが生息していなかったため、捕獲の知識や技術に精通している狩猟者が少ないことも課題だ。
青森県は、狩猟者の技能向上を図るため、西日本での実地研修の受講に要する費用を補助する。県内JAも、職員によるわな猟免許の取得を目指すなど対策に乗り出している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/634267aaee79cd8a8d31f3b90b1efeb66bb0a1ad
引用元: ・イノシシ北上、農家対策も「限界」 被害、全国は減少も北東北では深刻化 降雪減少、狩猟も弱体化 [567637504]
猪北上、熊南下