◆デモよりSNSが社会を変える時代
国会前のみならず各地で自然発生的に繰り広げられた、10年前の安保関連法案への抗議デモ。いま社会を変えたい、と声を上げる若い世代はどう思うのか。
「街頭のデモよりも、『どれだけSNS(交流サイト)の投稿がバズるか』の方が、社会を変えられる時代だ」。慶応大2年の白坂リサさん(21)は、自らの体験を基にこう語る。白坂さんは「一人決起型」と称して、高校時代から目の前の課題に取り組んできた。
仙台市にいた高校3年生の時に「勉強ばかりの退屈な学校に一石を投じてやろう」と、選挙の仕組みを解説するポスターを作成した。ところが、これが校則で禁止されている「政治的活動」にあたるとされ、学校側に校内での掲示を許可してもらえなかった。
◆シールズの人たちのバトンを受けて
納得がいかない白坂さんはSNSで事の顚末(てんまつ)を投稿した。すると翌日には4万以上の「いいね」がつく反響を呼んだ。著名人からの応援メッセージも多く寄せられた。後日、ポスターの掲示は許可され、白坂さんは「小さな身近なことだけれども、大きな成功体験」を得られたという。
安保関連法が成立した2015年はまだ小学生だった白坂さん。デモの中心にいた学生グループ「SEALDs(シールズ)」の存在を知ったのは、高校での騒動の後だった。非暴力で社運動のイメージを変えようとしたと知って共感し「その後の自分の活動にも影響した」と振り返る。
2022年の安保関連3文書の改定で、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有が認められた。さらに核武装の議論も浮上する昨今の日本の状況に、白坂さんも危機感を覚えている。「かつての戦争への反省の思いや、平和のために声を上げたシールズの人たちの思いのバトンを、私はいま受け取っている」と思う。
◆パッケージに「こだわりすぎでは」
ただ、大学に入った白坂さんが選んだのは一人で「立て看板」を作って意思表示するという運動スタイル。シールズのようなデモへの参加には距離を置く。「同じ意見しかないと攻撃的に見えてしまい、腰が引ける。実はそれぞれ若干違う意見を持っているはずなのに、言葉にゆとりがないところが気になって…」
政治の場で求心力を失っているように見える「リベラル」への思いも複雑だ。
「護憲や反原発などを含めた一つのパッケージにこだわりすぎている。例えば自衛隊を憲法に明記すべきだと思う人が、それだけで『リベラル』の枠から外れてしまうなら、どうなのか」と問いかける。「個々が発信をし、それが社会に一石を投じられればいいのではないか。私は今後もそうやって社会を変えていきたい」
◆「コール」じゃなくスピーチするデモ
一方、集団での「デモ」という形も用いて、意見発信を模索する20代もいる。上智大4年の楠本夏花さん(22)だ。楠本さんは東京・明治神宮外苑地区の再開発に反対し、署名活動やデモ行進などを繰り広げてきた。
楠本さんが挑戦したのはデモであえて「コール」をしないことだ。従来なら「再開発反対」などと参加者で声を合わせるところ、スピーチをしながら行進をするスタイルのデモを大学1年生の時に企画した。「私的には社会問題に興味がなかった時にコールをしている団体を見ると一歩引いちゃっていた」からという。
東京・明治神宮外苑地区の再開発に反対する署名を集める楠本夏花さん(右)=ウェブサイト「アクティビズム.com」より(楠本さん提供)
「もし知っていただけたら幸いです」。優しい語り口で神宮外苑の並…(以下有料版で)
東京新聞 2025年9月19日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/436815
引用元: ・「国会前デモ」から10年、熱は冷めていなかった 一人で意思表示、怖くないデモ…新スタイルに願いを託して [蚤の市★]
マスコミが取り上げなかったら、何の意味もないよね?
デモした結果、方針が変わる事あるの?
デモに来ない奴は組織への忠誠心が足りないとわかる