遺伝子研究から身長が高い人ほど「特定の病気になりやすい」
身長が高いことでかかりやすい病気があるようです。
米ロッキーマウンテン・リージョナルVA医療センター(Rocky Mountain Regional VA Medical Center)が、28万人以上のアメリカ人男女を対象に、身長と病気の関連性を遺伝的に調査した結果、身長が高い人ほど、心房細動(不整脈の一種)や静脈瘤(脚の静脈の異常拡張)、手足の神経損傷などの発症リスクが高い傾向があったという。
この研究は、同種のものとしては最大規模で、信頼性は高い結果のようです。
研究の詳細は、2022年6月2日付で学術誌『PLOS Genetics』に掲載されています。

引用元: ・低身長の人に朗報! 背が高い人ほど不整脈や神経損傷などの病気になりやすいという研究結果 [478973293]
身長が高い人の「なりやすい病気」と「なりにくい病気」
(略)
そこで今回、研究チームは、身長の測定値と診断書の単なる比較にとどまらず、臨床記録と結びついた遺伝子データを利用しました。
対象としたのは、アメリカの「ミリオン退役軍人プログラム(Million Veteran Program)」に登録されている計28万人以上の成人男女です。
チームは、身長に影響を与えることで知られる数千の遺伝子変異と、疾患に関連する1000以上の形質をマッチング。
それにより、身長ごとに発症しやすい疾患の特定に成功しました。
先行研究では、50程度の形質としかマッチングできておらず、今回は同種の研究として、最大規模のものです。
ちなみに、被験者の平均身長は176センチで、身長の高低を分ける基準ラインとなっています。
その結果、遺伝的に心房細動や静脈瘤、慢性静脈不全(脚の静脈が損傷し、血液が正常に流れない状態)になりやす人や、皮膚や骨の感染症、末梢神経障害と呼ばれる四肢の神経損傷を起こしやすい人たちは身長が高い傾向にあることが判明しました。
一方で反対に、身長が高い傾向の人は高血圧、高コレステロール、冠動脈疾患などの心血管疾患の遺伝的リスクは低いということも判明しています。
これは病気のリスクに関する遺伝データの傾向と、身長の高さに似た偏りがあることを示唆しています。
また、サンプル数が非常に多かったため、性別による傾向の違いも確認できました。
それによると、喘息および末梢神経障害は、身長の高い人の中でも、男性より女性に多くあらわれることがわかりました
本研究の成果から、チームは「身長が、成人男女におけるいくつかの疾患の危険因子となりうる」と結論しました。
(以下略)
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