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クーリエ・ジャポン2025.8.2
ニューヨークの公認臨床ソーシャルワーカーで、男性向けセラピーが専門のジャスティン・リオイは、新しいクライアントにまずこう尋ねる。「自分の人生でいま起こっていることについて、誰に相談できますか?」
彼のクライアントのうち、異性愛者の男性の多くは、自分の彼女や妻以外には滅多に心を開かないと話すそうだ。パートナーの女性たちが彼らの非公式なセラピストとなり、「感情的な面倒をすべて引き受けている」とリオイは言う。
現在、その役割は「マンキーピング」と呼ばれている。スタンフォード大学の研究者、アンジェリカ・プツィオ・フェラーラが作ったこの言葉は、ネット上で急速に広まった。
マンキーピングとは、女性たちが男性パートナーの社会的・感情的なニーズを満たすためにおこなう仕事を指す。そこには、パートナーが日々の困難や内面の葛藤を乗り越えるのを支えたり、友人と会うように促したりすることも含まれる。
こうした関係の力学が、すべてのカップルに当てはまるわけではない。しかし、「女性がより多くの役割を求められたり期待されたりした結果、男性の社会的支援システムの中心になっているのを、研究の過程で目にしてきました」とフェラーラは言う。
深刻な友達不足
スタンフォード大学クレイマンジェンダー研究所で男性の友情について研究しているフェラーラと研究助手のディラン・ベルガラは、なぜ一部の男性が友達をつくるのに苦労しているかを調査した後、マンキーピングに関する論文を発表した。
男性が友達づくりで苦労している証拠は充分にある。2021年のある調査では、男性の15%が「親しい友人がいない」と回答し、1990年の3%から大きく増加していた。また、「個人的な問題に直面したときは友人に相談する」と回答した若い男性の割合は、1990年にはほぼ半数だったのに対し、2021年にはわずか20%強にとどまった。
「女性には、何か問題が起こったときに頼れるさまざまな存在がいる場合が多いが、男性はパートナーの女性のみに頼る傾向がある」ことをフェラーラは発見した。
彼女はマンキーピングを、「キンキーピング」という概念の延長線上にあるものと捉えている。キンキーピングとは、家族をまとめるための仕事であり、男性よりも女性のほうが多く担わされがちであることが、研究から明らかになっている。
「それって悪いこと?」
イヴ・ティリー=コルソン(37)は、SNSで「マンキーピング」という概念を知り、ほっとしたという。
ロサンゼルス在住のティリー=コルソンは自身のパートナーのグレン(37)について、精神的に成熟しており、面白くて思いやりのある人だと話す。だが彼女は、彼の社交と感情の大部分を、自分が支えていると感じている。
彼らは2人とも多忙な弁護士だが、社交の計画を立てるのは主にティリー=コルソンだ。「旅行に行ったり、お互いの両親に会ったり、そうした計画のすべてを私が立てなければならないとなると、何か問題が起こったときの責任も、すべて私が負うことになるんです」
グレンは彼女から初めてマンキーピングについて聞かされたとき、「多くの異性愛関係で見てきたことと変わらない」と思った。「でも、それって悪いことなの?」とも。
「いま、パートナーとのこうした関係に疲れ果てた、と声を上げる女性が増えています」。シアトルで人間関係や男性の問題を専門とするセラピークリニックを経営するジャスティン・ペレはそう話す。
Catherine Pearson
引用元: ・「友達のいない男性」が増え、彼らの感情的なケアを女性が担っている「マンキーピング」 [七波羅探題★]
俺じゃん
職場の仲間に誘われたらやんわりと断る
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