【米国社会むしばむ合成麻薬フェンタニル】毒性や依存性は極めて強く、米国史上最も致命的な薬物、中毒者が街中をゾンビのように徘徊・・・パトロール中の警察官 「この世の終わりみたいな場所だろう？」

中毒者が街中を徘徊（はいかい）している様子から「ゾンビ・タウン」と呼ばれる地区や、全米最悪級の被害が出ている地域を訪ね、被害の実態を探った。

人口約150万人の大都市、東部ペンシルベニア州フィラデルフィア。1776年に米国の独立が宣言され、映画「ロッキー」の舞台にもなった街だ。

その北部にあり、かつて工業地区として栄えたケンジントン地区を訪れると、午前中にもかかわらず人々が街中に座り込んだり、倒れたりしていた。

上半身を屈めたままの姿勢で立ち止まるなど、「ゾンビ」と呼ばれるフェンタニル中毒の症状を示した人もいた。

取材を始めてすぐに、路上に座っていた集団から罵声を受け、取り囲まれそうになった。

偶然出会ったパトロール中の警察官は「この世の終わりみたいな場所だろう？」と冗談めかして語りつつ、こう続けた。「これでも、少し前よりはマシになったんだ

https://www.sankei.com/article/20250726-QUV74MUBYJLEDPEMHLF4FHA6F4/」

多くのフェンタニル中毒者が集まる米東部フィラデルフィアのケンジントン地区＝7月18日（本間英士撮影）