ヤドカリの密猟でベトナム人の男を逮捕　2500匹超を押収【宜野湾】

【動画あり】オカヤドカリ密猟か、男逮捕　容疑で宜野湾署、2500匹超押収　沖縄

公開日時 2025年07月12日 05:00　更新日時 2025年07月12日 19:05

沖縄容疑者の自宅で見つかったオカヤドカリ＝11日

　宜野湾署は11日、県内で正当な理由なく国指定天然記念物のオカヤドカリ844匹を捕獲して県外に配送しようとしたとして、文化財保護法違反容疑でベトナム国籍の男を逮捕した。「自分で捕ってきた」と容疑を認めている。男の自宅からは、さらに1700匹を超えるオカヤドカリが見つかっており、宜野湾署は関連を含め調べている。

　宜野湾署によると、男は6月17日、宜野湾市内のコンビニエンスストアから、オカヤドカリ844匹を梱包（こんぽう）した段ボール2箱を個人名宛てで県外に郵送する手続きをしたという。配送業者の配達員がカサカサという音に気づきエックス線で検査したところ、オカヤドカリと判明した。

　中国語のインターネットサイト上でオカヤドカリは1匹当たり中国で約2千円、台湾で約2万円などで取引されている。宜野湾署は捕獲の目的や経緯、ほかに関連している人物がいないかを含め、捜査を進めている。

　県教育庁文化財課天然記念物担当の儀間朝宜指導主事によると、オカヤドカリは国外に持ち出すことは法的に禁止されている。国内で捕獲したり移動させたりするには、文化庁から「現状変更申請」の許可を受ける必要がある。

　儀間指導主事は「県民にとって身近な存在のオカヤドカリは『海のそうじ屋』と呼ばれる。アダンの実や魚の死骸を食べてくれるので生態系にとって重要」と指摘し「近年は密猟が増え、特に大型の個体が減っている」と警戒感を示す。

　宜野湾署や儀間指導主事は「海岸などで明らかに違和感のある大きさの箱などを運ぶ人などを見かけた場合は、最寄りの警察署や県教育委員会に報告してほしい」と呼びかけている。