ハイパーカミオカンデは素粒子の1つニュートリノを調べる施設で神岡鉱山の地下600メートルに建設している。初代にあたる「カミオカンデ」が1983年に建設され、96年から2代目の「スーパーカミオカンデ」が稼働している。ハイパーカミオカンデは3代目にあたり、20年から建設が始まっている。
この日公開した空洞はニュートリノを捉える検出器を設置する場所で、高さ94メートル、直径69メートル、神岡鉱山の地下約600メートルに位置する。7月に掘削工事が完了し、ニュートリノ検出に必要な水槽の設置をはじめ、26年8月から超高感度光センサーの設置を始める。検出器の体積はスーパーカミオカンデの約8倍だ。
当初は27年の観測開始を目指していたが、坑道内の安全対策や資材の高騰による水槽などの設計の見直しで1年遅れる。
宇宙が誕生した瞬間は物質と反対の性質をもった反物質が同じ数存在していたとされる。現在の宇宙は物質に満ちており、なぜ反物質が消えたのか理由は分かっていない。ハイパーカミオカンデは人工的に生成したニュートリノと反ニュートリノの振る舞いの違いを調べて、物質の起源の謎に迫る。
これまでのカミオカンデは、ニュートリノの発見や性質の解明に貢献し、2度のノーベル物理学賞の受賞につながった。陽子が壊れる「陽子崩壊」の検出なども目指している。研究プロジェクトの共同代表者である東京大の塩沢真人教授は「大空洞が実現でき、大きな山場を越えられた。工事を進めて素粒子の理解が変わるような実験結果を出していきたい」と意気込む。
日本経済新聞
025年6月28日 14:00
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG281180Y5A620C2000000/
引用元: ・素粒子探る3代目カミオカンデ、巨大空洞を公開 28年稼働へ [香味焙煎★]
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