研究では、新型コロナウイルス感染が心血管疾患の発生リスクを長期的に増加させること、特に感染後1~6カ月の間にリスクが最も高くなること、さらにワクチン接種がリスク軽減に有効であることなどが示されました。この内容について本多医師に伺いました。
編集部:
韓国の慶熙大学の研究員らが発表した内容を教えてください。
本多先生:
今回紹介するのは、韓国と日本の保健医療ビッグデータを用いた二国間の大規模コホート研究で、新型コロナウイルスの感染と心血管疾患リスクの関連を明らかにすることを目的として実施されました。韓国では約796万人、日本では約126万人が解析対象となりました。
研究の結果、新型コロナウイルス感染者は非感染者と比較して、心血管疾患のリスクが約62%高いことが明らかになりました。特に虚血性心疾患、心不全、脳血管障害、不整脈などのリスクが有意に上昇していました。感染後1~6カ月が最もリスクが高く、その後も18カ月にわたり持続する傾向がみられました。
その一方、ワクチン接種はこれらのリスクを低減すると示唆しており、重症感染ほどリスクが高く、ワクチン接種の有無が予後に影響を与えていました。
ワクチンを接種した人では、未接種または接種が不完全な人と比べて心血管イベントのリスクが28%低下し、追加接種を受けた人ではさらに32%のリスク低下がみられました。
また、心血管疾患の絶対リスクは依然として低く、例えば脳卒中の発生率は感染者0.24%、非感染者0.13%でした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/335e5af0038b862d85c1d592bd160ad3419ecc5b
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