新型コロナウイルス禍の時期には大会数もランナーも激減。その影響が尾を引いている様子だ。ブームは一過性で終わるのか、それとも復活の兆しはあるのか──。
松本マラソン以外の大会も、軒並み苦戦している。夏場のレースとして実績のある北海道マラソンは昨年、定員の2万人に達せず、
徳島県の「とくしまマラソン」も24、25年と2年連続で定員割れ。地方の大会は思うように参加者が増えず、コロナ禍前の水準にはまだ戻っていない。
笹川スポーツ財団が2年に1度調査している「スポーツライフ・データ」によると、年1回以上のジョギング・ランニング実施率は20年に過去最高の10.2%、推計実施人口は1055万人を記録した。
ところが、コロナ禍を経て2年後に行った調査では、実施率は8.5%、推計実施人口も877万人にまで落ち込んだ。さらに24年調査では、7.7%、806万人と減少に歯止めがかかっていない状況だ。
運営経費も巨額になり、その支出分を賄うために、近年は参加費の高騰が問題となっている。
例えば、東京マラソンは2007年の第1回大会は1万円だったが、来年は1万9800円に。今年の横浜マラソンは1万8500円、神戸マラソンは1万8000円、大阪マラソンは1万6000円などとなっており、全国的に高額化している。
昨年の松本マラソンは1万2000円だったが、地方の大会は都市部から参加するランナーに交通費や宿泊費がかかる。
コロナの制限がなくなった後は外国人観光客も増え、各地のホテル代が値上がりしている。費用面から参加をためらう人も多いようだ。
物価上昇も追い打ちをかけている。東日本大震災の津波被災地を走る「東北・みやぎ復興マラソン」は今年限りでの終了が決まった。
主催者は「物価高騰の影響を受け、開催のための経費が急騰している現状があります。大会の継続には大幅な収入増と大会経費の圧縮が必須となります。ランナーの皆さまへの過度な負担増は私たちの本意ではありません」と発表。復興支援を目的に17年に始まった大会は、早くも幕を閉じることになった。
どの大会も開催には多大な労力と準備が必要だ。レースを行う道路の警備や沿道のボランティア配置、記録チップによる計測や参加証の配布、更衣室や仮設トイレの設営、ふるさと産品やマラソングッズの販売所設置など、作業は挙げればきりがない。地方では人手不足が深刻で、高齢化も相まってスタッフ集めに苦労している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5c1c5c2aec344b20ba33d421acdc52b2d942c2b0
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