代表格の「うまい棒」は1979年の発売当初から1本税別10円を維持してきたが、22年に12円に、24年には15円に値上げした。主原料のコーンや植物油など原材料価格が上がり、人件費や包装資材費など軒並み上がっているためだ。販売会社のやおきん(東京・墨田)は価格高騰が「自社内でも許容できる範囲をさらに超えてきた」とした。
魚肉すり身をシート状にした「ビッグカツ」は23年に30円から40円に、個包装になってから初めての値上げとなった。シガレット型砂糖菓子の「ココアシガレット」は23年、32年ぶりの10円値上げで1箱40円となった。
「消費税がない時代は5円や10円の製品もたくさんあったが、今はもうない」と話すのは、石川商店(東京・江戸川)の石川活叶代表。地域密着型の駄菓子屋を50年間経営している。店内の駄菓子は800種類超にのぼるが、ガムが1個16円など10円以下の商品はない。「メーカーの努力で価格が長年変わらなかったが、ここ1~2年で値上げが一気に増えた」(石川氏)
一方で、「サワーペーパーキャンディ」や「ロールキャンディ」といったソフトキャンディー系の新しい製品も店内で人気だ。当たりくじが入った製品が子供に人気なのは、昔も今も変わらないという。
金融経済教育推進機構が24年に実施した「家計の金融行動に関する世論調査」によると、小学3.4年生のお小遣い額は24年に平均1789円と、2000年代前半の1000円前後から増えた。駄菓子は値上がりしたものの、近年の子供の懐事情には一定の余裕があるようだ。
少子高齢化で子供向けの販売が減る中、大人の間でも一定の需要がある。石川商店では祖父母の時代に通っていたことから親子3代で来店する客や、職場で配るために大袋を購入する人もいる。
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