【陸上】物議のトランス選手が金2個、銀1個を獲得 米加州の陸上大会

【6月1日 AFP】米カリフォルニア州で行われた高校生の陸上競技大会で、トランスジェンダーのAB・ヘルナンデス選手（16）が金メダル2個と銀メダル1個を獲得した。

同州フレズノ郡郊外のクロービス開催されたカリフォルニア州高校陸上競技選手権で、ヘルナンデス選手は女子走り高跳びで1メートル70を失敗なしでクリア。同じ高さを1回の失敗でクリアした選手が他に2人いたが、大会前のルール変更により、3人が1位を分け合った。

この大会では、トランスジェンダー選手の女子競技参加が物議を醸し、ドナルド・トランプ大統領がSNSで、ヘルナンデス選手の出場を許可するなら将来的に連邦政府からのカリフォルニア州へ資金援助を差し止めると警告する事態になっていた。

こうした批判を受け、大会ではトランスジェンダー選手の参加によって女子選手が排除されないようにするルール変更が行われ、さらにヘルナンデス選手が出場資格を得ていた走り高跳びと走り幅跳び、三段跳びの3種目を対象に、トランス選手の後塵（こうじん）を拝して表彰台に上がれなかった選手へのメダル授与を義務づけた。

ヘルナンデス選手は騒動の中で、三段跳びでも優勝し、走り幅跳びでは2位に入った。三段跳びでは12メートル87を記録し、12メートル32だった他の1選手と金メダルを共有。走り幅跳びでは6メートル32をマークして銀メダルを獲得した。