中国疾病予防管理センター(CDC)が5月8日に発表した「4月の全国急性呼吸器感染症監視データ」によると、3月31日から5月4日までの期間における外来・救急のインフルエンザ疾患のうち、新型コロナの陽性率は7.5%から16.2%に上昇しました。
また、入院を要する重症急性呼吸器感染症の症例においても、陽性率は3.3%から6.3%に増加しています。特に4月14日から5月4日までの3週間の内、新型コロナが、インフルエンザ症状の主な原因となっていたことが明らかになりました。
地方政府の発表も同様の傾向を示しています。広東省疾病予防管理局によれば、2025年4月の全体の伝染病の報告数は112,456件、死亡者数は115人でした。
そのうち、新型コロナの感染者は23,188人にのぼり、中国国務院が分類した26種類の乙類伝染病(「中国伝染病防治法」では、感染症を甲類、乙類、丙類の3種に分類している)の中で最も多い感染数となりました。
3月の3,548件と比較すると、わずか1か月で6倍以上の増加となっています。広東省で発症が確認された乙類伝染病は17種類、感染者数64,526件が報告されています。
また新型コロナ、B型肝炎、梅毒、結核、C型肝炎が上位5つを占め、全体の92%以上を構成しています。
広東省婦幼保健院の小児呼吸器専門副主任医師・譚艶芳氏によると、最近は自宅で抗原検査が陽性となった後に来院する患者が多く、家庭内感染の広がりが目立っているといいます。
このように、中共政府は感染再拡大を認めつつあります。しかし、公表されているデータの信憑性には根強い疑念があります。
SNSでは多くの市民が感染の実態を共有しています。「熱が2日続いて咳も止まらない」「味覚と嗅覚を完全に失った」「全身が痛くて高熱も出ている」など、深刻な症状を訴える声が相次いでいます。
また、「職場ではほとんどの人が感染した」 「喉が痛くて声が出ない状態が2週間以上続いている人が多い」といった投稿もあり、感染の広がりが現実のものとして語られています。
このような再拡大の波は中国本土にとどまらず、アジアの各地域でも顕著に現れています。
香港衛生防護センターによると、5月3日までの週における新型コロナの陽性率は13.7%と、過去1年間で最高を記録しました。4月初旬の6.2%から急上昇しており、ウイルスの活動は「非常に活発」だとされています。
同期間に報告された重症例(死亡例を含む)は31件で、1年ぶりの高水準です。香港衛生防護センターの徐楽堅総監は「今後数週間は感染の活発な状態が続くと見込まれる」と述べています。
また、香港大学小児科教授・劉宇隆氏は、同センターが運用する下水モニタリングシステムのデータを引用し、「第18週には1リットルの下水中に約70万コピーのウイルス遺伝子が検出された」と説明しました。
これは、2024年3月のピークである約40万コピーを大きく上回る数値です。
劉氏は「このデータは検査率に依存していない客観的な指標であり、現在のコミュニティ感染率が2024年のピークを超えていることを示している」と強調しました。
一方、シンガポールでも感染拡大が確認されています。5月初旬、シンガポールは約1年ぶりに新型コロナの感染動向に関する情報を更新しました。5月3日までの週の新規感染者数は14,200人にのぼり、前年同週比で28%の増加となりました。
入院患者数も約30%増加しています。シンガポール保健省は「現在流行している新型コロナウイルス変異株について、感染力や重症化率が過去の変異株より高いという証拠はない」としつつ、状況を注意深く監視しているとしています。
台湾でも感染拡大の兆しが見られます。5月13日の発表によれば、5月10日までの1週間でCOVIDによる救急受診者数が前週を上回っており、今年の累計重症患者数は237人、うち43人が死亡しています。
台湾当局は引き続き感染状況を注視しており、必要な対応を講じる姿勢を示しています。
タイ保健当局によれば、4月以降に2件のクラスター感染が確認されています。とくに旧正月にあたるソンクラーン祭りの期間中に人の移動が活発になったことで、感染が拡大したと見られています。
このように、各国・各地域のデータや専門家の分析、市民の実体験を踏まえると、新型コロナウイルスの感染拡大は2025年春の段階でも依然として深刻な課題となっています。
中国「また強毒コロナの感染広がっちゃったごめんね」
アメリカ「!!?」
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