20代女性が自室で窒息死、警察の「他殺は絶対不可能」を覆した元監察医の経験値 「じゃあ次は自殺の可能性だ」。自殺は、自分で紐などを首に巻き、引っ張る。やがて意識を失い手を離す。
その離したときに絞めたところが緩んで息ができるようになれば、息を吹き返すことになる。だからぎゅっと絞めてかた結びをし、緩まないようにする。
そうすると手を離したとしても紐はしまったままで、やがて死ぬ。
「首にそのような紐はあったの」と聞くと、「いえ、発見者の母親にも確認しましたが、そのような紐は巻きついていなかったと言っています。紐の跡もありませんでした」「じゃあ、自殺による窒息死の可能性もない。残るは他殺だよ」と言うと、「先生、それが他殺は絶対無理な状況なんです。だから困っているんです」と言う。
「どういうこと?」と尋ねると、事件が起きたときの様子を話した。
女性が住んでいた家は、築何十年という昔ながらの家で、玄関を入ると目の前に階段があった。一階には彼女のおじいさん、おばあさんの部屋がある。
そしてその階段を上らないと彼女の部屋の二階には行けない。
警官が上ってみると、一段一段上がるごとにギギギィ、と階段がきしむものすごい音がして、家中に響き渡るという。あまりにも大きな音に警官も驚いた。
大きな音をたてて上った二階には両親の部屋があり、その隣に彼女の部屋があった。
両親の隣の部屋で彼女は亡くなっていた。階段を上り下りするとものすごい音がし、一階の階段近くの部屋にはおじいさんとおばあさんがいる。
そのように考えると彼女を殺して逃げるという他殺の線は難しい、というのが刑事たちの考えだった。
● 「他殺しかない」という結論
「でも、その家で死んでいるのは事実なんだよね。今検証したように病死も自殺の可能性もないとすると他殺しかない。私が実際自分で解剖したわけではないから100%とは言えないけど、この資料を見る限りは、死体からは病死と自殺は考えられないので、他殺しかない。もう一度その線で捜査してみたらどうだ」と私は言った。
「そうですね、分かりました。もう一度調べてみます」と言って、刑事は私の家を後にした。
それから一カ月半後、新聞に「コンビニの店長、アルバイト女性殺害の容疑で逮捕。コピー機で合鍵作る」という見出しが出た。
店長は女性に交際を断られてからも、ずっと好きでストーカーのように彼女のことを見ていた。
彼女が結婚をするという噂を聞いて、誰にも渡したくないとの思いから殺意を抱いたという

引用元: ・20代女性が自室で窒息死、警察の「他殺は絶対不可能」を元監察医が覆す [421685208]
神奈川県警余裕
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