石破茂総理(68歳)は「大阪・関西万博」の開会式に出席するため、大阪の人工島・夢洲を訪れていた。目玉の「空飛ぶクルマ」は安全性の不安を払拭しきれず、来場者を乗せない「デモ運航」に変更されるなど、万博は課題山積で人気低調。それでも会場で、「総理~!」と呼びかけられると笑顔で応じた。
しかし、本当は別のことで頭が一杯だったに違いない。世界情勢は大混乱で、米国のトランプ大統領(78歳)に電話で「相互関税」の引き下げを直談判したものの、「日本は貿易で米国を粗末に扱ってきた」と逆ギレされる始末。このままでは参院選を乗り切れるはずもない……。
そんな総理はその1週間前にもリハーサル視察のため、万博会場を訪れていた。実は、そこで関係者が瞠目する一幕があった。井上博雄首相秘書官(55歳)が同行議員の一人に駆け寄り、囁く姿が目撃されていたのである。
「あの件は、総理としっかりお話ししておりますから」
経産省屈指の能吏の口調は控えめながらも、確信めいた力強さが滲んでいた。
◼「トランプ関税」がむしろ追い風に
「減税云々について言及すべきとは思っておりません……」
4月7日の参院決算委員会で、野党議員から物価高対策のための食料品の消費減税の是非を問われた石破総理は、あのねっとりとした独特の口調で否定した。消費減税を与野党から求められる中、総理は表向き、慎重な構えを貫いてきた。
ところが―。
「総理の本意としては、消費減税をやりたがっていますよ。前向きなのは間違いない」
そう筆者の取材に証言するのは、総理と日常的にコミュニケーションを重ねる政権幹部である。そして、この計画を巡っては、ここにきて追い風が吹く事情もあるという。
―トランプ関税だ。
トランプ大統領は、4月2日に「相互関税」を発表した。日本にとって、米国は輸出の約2割を占める貿易相手国で、輸出関連産業をはじめ深刻な打撃は免れない。
だが先の政権幹部は、これで消費減税の大義名分が立ったと受け止め、「むしろこの経済災害を一つの起爆剤にすべき」と指摘するのだ。
「これを機に、米国にモノを売るのではなく、内需を喚起して、国内で消費できる体制づくりをすべきです。それには、家計を暖める政策をセットで行うことが不可欠で、消費減税が極めて有効になる。ここを突破しない限り、この政権は持ちません。総理は消費減税を必ずやりきると確信しています」
「政権を維持するためなら安いもんじゃないですか」
総理のまさかの目論見を裏付ける材料はこれだけではない。冒頭の場面で、秘書官が語っていた「あの件」というのも、まさに消費減税のことだった。事情を知る自民党関係者が明かす。
「報告を受けた議員は最近、井上秘書官に『食料品の消費税8%の減税を是非総理にお願いして』と頼んでいたそうです。その時、秘書官は『総理は〈政権を維持するためなら安いもんじゃないですか〉と言っている』という反応だった。その秘書官が、ドタバタの万博会場でその後の経過をわざわざ報告しにきたのは、総理との議論の感触が良いことの証左でしょう」
目前に迫る参院選への危機感から、党内からの「減税圧力」も日増しに高まるばかりだ。選挙を取り仕切る木原誠二選対委員長(54歳)も思わせぶりな発言を重ねてきた。
「テレビ番組で消費減税を巡り、『物価高を乗り越えていくための努力が求められている』と発言。木原氏のボス・岸田文雄前総理(67歳)も夏の参院選公約で『大きな決断を示せ』とハッパをかけています」(全国紙政治部記者)
かわの・よしのぶ/’91年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、『サンデー毎日』『週刊文春』の記者を経てフリーに。主に政治を取材している
「週刊現代」2025年4月28日号より
[現代ビジネス]
2025/4/14(月) 7:03
https://news.yahoo.co.jp/articles/a263c8e1a7825d50f35e4f7de7a81f92ff2b6737
引用元: ・【減税】「総理は本意では、消費減税をやりたがっています」政権幹部が明かした石破総理の胸の内… 「トランプ関税」が追い風に? [煮卵★]
やるのかやらないのか
徴収よりもチューチューしている奴らにメスを入れたら財源を確保できるのに
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