https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/87698
2025.4.13(日)
長野 光 望月 衣塑子
ジャーナリストで映画監督の伊藤詩織氏が自身の性被害と、それを取り巻く日本社会を描いたドキュメンタリー映画『Black Box Diaries』。その中に、本人の許可なく出演者やそのやり取りが映し出されている映像が含まれているとして問題になっている。
この映画の問題点を報じてきた東京新聞社会部の望月衣塑子記者を伊藤氏が名誉毀損だと提訴したが、後に訴訟は取り下げられた。伊藤氏は許諾のない映像を問題のない形にした映画の修正版を作ると発表したが、いまだに修正版は公表されないまま、ノーカットバージョンが欧米などを中心に海外で放映されている。この状況をどう考えるか、望月衣塑子氏に聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト)
──伊藤氏からの訴訟が取り下げられました。今は何を感じていますか?
望月衣塑子氏(以下、望月):3月18日、伊藤氏の代理人をしている神原元弁護士と師岡康子弁護士の名前で、西広陽子弁護士らへの紛議調停と私への名誉棄損訴訟の取り下げを決めたと発表されました。
私が提訴されたのは2月10日付です。伊藤氏の映画『Black Box Diaries』の中に、許諾なく使用された映像があるので、この映画の製作を手掛けているスターサンズと伊藤氏に質問を投げている最中に、伊藤氏からの提訴がありました。
提訴の知らせは東京新聞に届きましたが、記事を編集し、配信した東京新聞ではなく、記事を紹介した私個人のフェイスブックやXでの発信が問題だと書かれていました。
それ以前にも記事に対して、伊藤氏の代理人が会社側に見出しや原稿に訂正・修正を求めてきたことがありましたが、その時には私のSNSの発信の内容に関する訂正要求などはありませんでした。会社もXで記事を紹介していましたが、SNSについての指摘はありませんでした。
──SNSに書いた内容を問題視されたのですね。
望月:そうです。スターサンズに質問を投げた翌12日に、「望月を提訴した」という連絡が代理人から会社にありましたが、その一言だけでは中身が全くわかりませんので取材を続けることにし、伊藤氏と代理人にも質問を投げたところ、その翌日の13日に伊藤氏側から提訴の訴状の投げ込みが司法記者クラブにありました。
こちらが質問を投げているのに質問には答えず、そのような形で提訴されたことにはとても驚きました。そこから数日間メディア各社が、伊藤氏が私を提訴したことを報じました。
──わざわざ質問を当てているのに、提訴で答えるというのは普通ではありません。
望月:私が驚いたのは、この件だけではありません。
2024年10月21日に、西広陽子弁護士と加城千波弁護士、2人の代理人の佃克彦弁護士が都内で会見を開き、映画の中にさまざまな許諾なしの映像が使われていたことを発表しました。
許諾なく使われているのは、タクシー運転手が映っているシーン、刑事が映っているシーン、西広弁護士と伊藤詩織氏の電話のやり取りなど複数ありますが、西広弁護士がとくに問題視しているのは、(伊藤氏が性被害に遭ったとされる日の)ホテルの防犯カメラの映像です。
この映像は、山口敬之氏と伊藤氏の裁判以外で使ってはならないという誓約のもとに、ホテルが提供した映像です。
西広弁護士は2023年12月に、映画の中で許諾なく防犯カメラの映像が使用されていることを知り、ホテルから映像の使用許諾を取るよう、弁護士を通じて製作会社や伊藤氏側にずっと要望していました。ところが、伊藤氏から問題の部分をカットした修正版の提示はありませんでした。このことを知った時もショックでした。
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『Black Box Diaries』が日本で公開されなかった本当の理由
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/87698?page=2
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(略)
※全文はソースで
引用元: ・【映画】望月衣塑子が問う伊藤詩織の『Black Box Diaries』、映画の修正版はいつになったら公開されるのか [少考さん★]
日本の中国化
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