【千葉大学研究】抗体検査で小中学生の新型コロナウイルス感染状況を明らかに　2022年度に感染者が急増したが、感染に気づいていないことが多い・・学年が低いことや他の子と遊ぶことが、感染が多くなる要因となる

その結果、オミクロン株が主流となった2022年度に感染者が急増したものの、感染に気づいていないケースが多いことがわかりました。

また、学年が低いことや他の子と遊ぶことが、感染が多くなる要因となる傾向がありました。

小学校およびその子どもと保護者の3年間にわたる協力により、子どもたちの新型コロナウイルスの感染状況や要因を明らかにすることができました。この成果は今後の感染対策にもつながることが期待されます。

本研究成果は、2024年12月21日に、学術誌Journal of Epidemiologyの電子版で公開されました。

https://www.chiba-u.ac.jp/news/research-collab/2022.html

小児における SARS-CoV-2 ヌクレオカプシドタンパク質抗体の 3 年間の血清陽性率、保護者の認識、感染の寄与者: 千葉県の単一学校コホート研究
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39710421/

結果： 血清陽性率は、1年目、2年目、3年目でそれぞれ0.6％、2.2％、60.9％であった。

親から「感染している」、「検査は受けていないが症状がある」、「感染していない」と報告された子供の3年目の血清陽性率は、それぞれ97.3％、83.3％、35.7％であった。

3年目の測定で血清陽性のオッズが上昇したのは、低学年（高学年と比較して調整オッズ比[aOR] = 2.79）および他の子供と遊ぶ可能性が高い子供（「まれに」と比較して「やや」でaOR = 3.97、

「頻繁に」でaOR = 2.84）であった。性別、兄弟、BMI、血清25-OHビタミンD 3濃度、または睡眠時間については、血清陽性との有意な関連は認められなかった。

結論： 2021年末からのオミクロン変異株の流行により、子どもの血清陽性率が急増し、その多くが感染に気づいていない。他人と頻繁に遊ぶことで、子どもの感染が促進される可能性がある。