なぜファミマは“涙目”を選んだのか 「値下げシール」導入の舞台裏
イラストに「たすけてください」
ファミリーマートは、涙目のおにぎりのイラストに「たすけてください」とメッセージが添えられた値下げシールを導入する。シールのデザインを変えることで値下げ商品の購入率が向上したそうだが、担当者は「当初は予想外だった」と話す。変更にいたった背景
ファミリーマートが全国での採用を決定した、値下げシールのデザインが話題になっている。消費期限の迫ったおむすびや弁当などに貼るもので、「たすけてください」のメッセージと涙目のおにぎりのイラストが描かれている。2025年3月から順次、全国の店舗に導入予定だ。
同社が2024年秋に実施した実証実験では、シールのデザインを変えることで値下げした商品の購入率が5ポイント向上した。これを受けて全国への拡大が決定、同施策により店舗における食品ロスが年間で約3000トン削減すると見込んでいる。
新デザインを決定するにあたり、イラストとメッセージを約10パターン作成して消費者モニター調査を実施しているが、同プロジェクトを牽引したサステナビリティ推進部環境推進グループ マネジャーの原田公雄氏と同グループの松村陽氏は、「予想外の結果だった」と話す。どのような経緯からデザイン変更にいたったのか取材した。
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引用元: ・ファミマ、値下げシールに🥺を描いたら購入率アップ。順次全国の店舗に導入予定。
各社が食品ロス削減に取り組むなか、ファミリーマートでは数値目標の達成を目指し、値下げシールのデザイン変更を思いついたという。
「キャラクターの表情を『笑顔』『号泣』『焦り顔』『困り顔』など約10パターン用意し、それに添えるメッセージも『このままだと捨てられてしまう』『私を連れていって』『私を買ってください』など表現を変えました。デザインを決めるにあたって消費者モニター調査を行ったところ、『涙目』の表情と『たすけてください』のメッセージが圧倒的に評判が良かったんです」(松村氏)
松村氏は当初、「笑顔のイラストが売り上げにつながるのではないか」と仮説を立てていた。しかし、調査では「笑顔だと販促として買ってほしいようなイメージがわく」といった声が聞かれたという。
消費者への調査では、笑顔や号泣よりも「涙目」が圧倒的に好評だった
メッセージについても、直接的な「たすけてください」よりも、やや控えめな「私を連れていって」や「私を買ってください」などのほうが好まれそうだと予想していたが、それらは「目的が食品ロス削減だと伝わりづらい」「セールやキャンペーンのように思える」と、あまり評判が良くなかった。
「『なぜ買ってほしいのかが分からない』といった声が多く聞かれました。一方、涙目のキャラクターと『たすけてください』というメッセージは、『このままだと捨てられてしまうから助けてほしい』という当社のメッセージが一番伝わりやすいと好評でした」(原田氏)
モニター調査では、多くの人が「食品ロス削減に貢献したい」「社会を良くするために何かアクションをしたい」といった意思を持っていることも読み取れたという。その意思を後押しするにも、「涙目」に「たすけて」というメッセージがベストだと判断し、このデザインで実証実験を行うことにしたそうだ。
当たり前やん
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