海外企業による日本のプロ野球球団買収に門戸を開く可能性が浮上したからだ。
日本野球機構(NPB)は、野球協約で球団所有は資本金1億円以上の日本の株式会社と定め、外国籍の株主の持ち分を49%以下と厳しく制限している。
過去には、ヤクルトの最大株主となったフランスの食品会社ダノンや西武HDの筆頭株主となった米投資会社サーベラスが問題となったが、球団の運営からは排除された。
そこに噛み付いたのが、トランプ次期大統領の最側近でXやテスラ、スペースXのオーナーであるイーロン・マスク氏だ。
日米のスポーツビジネスに詳しいシンクタンクの研究員が、次のように語る。
「今回の日本製鉄によるUSスチールの買収について、バイデン氏が『安全保障上の脅威につながる』として大統領命令で禁止した一件は、プロ野球界が外国企業の球団買収を禁止しているのと裏返しの構図。マスク氏は、それを逆手に取って、日本が日本製鉄のUSスチールの買収を求めるなら、日本も今以上に米国企業による買収を認めるべきだと。その象徴として訴えているのが、外資企業に対するプロ野球球団買収の排除です。もっともな主張です」
米国の大統領令は絶対で、司法も介入できない。
日本製鉄は、30日以内に買収計画の放棄(対米外国投資委員会により、のちに6月18日まで延長)を強いられる一方、買収不成立なら約890億円の違約金が生じる可能性があるから厄介だ。
そこで日本製鉄は、行政と民事で提訴して結論を先延ばしにし、1月20日に大統領に就任するトランプ氏の任期中に新たな大統領令を発令してもらい、再審査を期待している。
「同盟国の日本企業への売却は安全保障上の脅威になり得ない」と日本を擁護する大統領の右腕、マスク氏の存在感は今後も増すばかりだ。
「“機を見るに敏”なマスク氏が、この時期に日本球界の排他主義に切り込んだ狙いは、昨年来、球団身売りが噂される“ミッキー球団”の救済が背景にある。オーナーとは10年来の友人ですから」(前出・シンクタンク研究員)
この「ミッキー球団」とは、楽天グループの三木谷浩史会長がオーナーを務める東北楽天ゴールデンイーグルスのことだ。
両氏は昵懇の間柄で、昨年も三木谷氏が米国のテスラ社オフィスを訪ねたり、マスク氏が来日した折に一緒にカラオケを楽しむこともしばしばだった。
その際、マスク氏は三木谷氏のことを親しみを込めて「ミッキー」と呼ぶという。
モバイル事業(携帯電話)で苦戦する楽天グループは、すでに楽天球団の売却方針を固め、三木谷オーナー自身がトップセールスをしている。
そんな渦中に秘蔵っ子・田中将大(36)が来シーズンの契約交渉で、楽天球団が提示した年俸5000万円に納得せず、1億6000万円で巨人入り。その際に楽天球団の姿勢を批判したことで、三木谷オーナーの売却意欲に拍車がかかった。
田中に「判断が早計だった」と後悔させるためだ。
「楽天球団の売却価格は300億円と噂されるが、総資産が68兆円といわれるマスク氏にとっては痛くも痒くもない。これまでは買収に応じたくとも、野球協約の壁で助け船を出せなかった。しかし、今回の一件で規則が変われば、異邦人オーナーが可能となる。球界はコペルニクス的に大転回する」(スポーツ紙記者)
https://weekly-jitsuwa.jp/archives/20348
https://weekly-jitsuwa.jp/archives/20349
引用元: ・【イーロン・マスクが楽天イーグルス買収へ】売却価格は300億円か
日本の野球の弱体化に寄与するんだろう
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