カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者らによる一連の症例研究によると、パクスロビドの長期投与は、長期の新型コロナウイルス感染症患者の一部に効果があるようで、この治療選択肢は衰弱症状に苦しむ一部の患者にとって有望であることを示唆している。
疾病対策センター(CDC)は、1,760万人のアメリカ人、つまり成人の13人に1人がCOVID-19の長期感染者だと推定している。
これらの人々は、COVID-19に最初に感染してから、頭がぼんやりしたり頭痛がしたり、呼吸器や心臓血管の問題にまで及ぶ症状を何ヶ月も、あるいは何年も経験する。
アリソン・コーエン博士、公衆衛生学修士、UCSF疫学・生物統計学助教授、本論文の筆頭著者
パンデミックが始まって約5年が経ちますが、長期にわたるCOVID-19に対する連邦政府承認の治療法はまだありません。これは特効薬ではありませんが、多くの人々に有意義な形で役立つ可能性があります。」
パンデミックが始まった頃にロングコビッドを発症した56歳の男性は、2年以上にわたり、倦怠感、頭痛、光過敏症、脳のもや、運動不耐性、心拍数の上昇、関節痛に悩まされていた。彼は2022年9月に5日間パクスロビドを服用したが、症状に変化はなかった。3か月後、彼は15日間服用し、認知症状と身体症状の両方が改善したと報告した。
また、2022年1月にロングコビッドを発症した45歳の女性は、感染後数か月間、倦怠感、呼吸困難、胸痛、体重減少、偏頭痛を経験した。2022年10月に5日間のパクスロビドを服用したところ、症状は3日間緩和された。しかし、翌月に15日間の服用をしたところ、症状には全く影響がなかった。
ロングコビッドには200以上の症状があるとされ、定義、診断、治療は依然として難しい。研究者たちは依然としてこの疾患の根底にある生物学的メカニズムを理解しようとしており、UCSFは世界初のロングコビッド組織バンクを立ち上げた。
「過去4年間で私たちが学んだことが1つあるとすれば、それはロングコロナは複雑であり、なぜ一部の人は抗ウイルス治療から著しく恩恵を受けるのに、他の人はそうでないのかを解明することが、この分野における最も重要な疑問の1つだということです」と、UCSFロングコロナ研究プログラムの主任研究者でUCSF医学部の感染症研究者でもある、研究の共著者マイケル・ペルーソ医学博士は述べた。
コメント