【ブラジルの研究】ヒトメタニューモウイルス（HMPV）の脅威・・・健康な成人でも重度の肺炎を引き起こす

hMPV は 2001 年に初めて特定され、健康に重大な影響を及ぼす呼吸器病原体としてますます認識されるようになりました。

hMPV は、下気道感染症や上気道感染症など、さまざまな呼吸器疾患と関連しており、他の呼吸器ウイルスと同様の症状を引き起こします。そのため、hMPV と他の病原体との臨床所見の重複により、正確な診断の必要性が強調されています。

hMPV は主に、くしゃみ、咳、密接な個人的接触、汚染された表面への接触を介して広がります。これらの感染方法は医療現場でリスクをもたらし、院内感染を防ぐために適切な管理措置が不可欠です。

症例報告で強調されているように、このウイルスは症状発現後最大 1 週間伝染性を維持するため、医療従事者は警戒する必要があります。

重篤な症状は、幼児、高齢者、免疫不全の人によく見られます。重篤な hMPV 感染に関する研究は、主に小児集団を対象としています。そのため、成人集団に関するデータは限られています。CAP は、世界中で罹患率と死亡率の大きな原因となっています。

研究と結果
本研究では、ブラジルの研究者らが、高齢で免疫能のある成人における hMPV による重度の肺炎の症例について報告した。

被験者は 68 歳の男性で、慢性的にアスピリンを使用しており、脂質異常症および軽度の全身性動脈性高血圧の病歴がある。

被験者は身体的に活発で非喫煙者であり、肥満、糖尿病、その他の併存疾患はなく、呼吸器症状が徐々に悪化していた。

初期症状（1日目、D1）は断続的な乾いた咳と軽度の嚥下痛でしたが、D2までに鼻づまり、鼻漏、夜間発汗、異痛症へと進行しました。

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2（SARS-CoV-2）の自己鼻咽頭スワブ検査は陰性でした。

その後、患者はアモキシシリン-クラブラン酸、プレドニゾン、クラリスロマイシンの投与を開始しました。しかし、患者の状態は悪化し、激しい咳、気管支けいれん、筋肉痛、疲労、頭痛がみられたため、7 日目に救急外来を受診しました。

結論
本研究は、hMPV が併存疾患のない免疫能のある成人に重大な肺炎を引き起こす可能性があることを強調しています。これは、特に細菌感染の減少に伴い、さまざまな年齢層で hMPV が CAP の頻繁な原因であるという認識が高まっていることを浮き彫りにしています。

すりガラス陰影や両側の硬化などの放射線学的所見は、ウイルス性肺炎の特徴であり、診断をさらに裏付けています。

注目すべきことに、分子検査で hMPV が唯一の病原体であることが明らかになったにもかかわらず、抗生物質療法が開始され、細菌感染とウイルス感染の区別における診断の不確実性が続いていることを反映しています。

全体として、この症例報告は、hMPV の迅速な分子診断、管理の強化、および不必要な抗生物質の使用の削減の重要性を強調しています。

https://www.news-medical.net/news/20250106/Hidden-culprit-Human-metapneumovirus-identified-in-severe-adult-pneumonia-case.aspx

ヒトメタニューモウイルスの静かな脅威: 重症肺炎症例からの臨床的課題と診断的洞察
https://www.mdpi.com/2076-2607/13/1/73

【中国で新たなウイルスの発生】 ヒトメタニューモウイルス（HMPV）感染爆発・・・40～80歳の突然死が顕著に増加、病院や火葬場がパンク
https://talk.jp/boards/newsplus/1736128084