https://president.jp/articles/-/89651

三重県伊賀市の和菓子店「桔梗屋織居」が手掛ける“のどに詰まらない大福”に注目が集まっている。その名は「おかゆ大福」。18代目店主の中村伊英さんが考案した。全国各地の高齢者施設や病院などから注文が入り、今では1日に100個ほど売れる人気商品となっている。中村さんはなぜ「おかゆ大福」を作ったのか。フリーライターのマエノメリ史織さんが取材した――。
引用元: ・餅をのどに詰まらせない「おかゆ大福」が大ヒット…三重・伊賀で400年続く老舗の和菓子店主(64)のアイデア [582792952]
誰でも安心して食べられる大福
「大福を食べたいけれど、のどに詰まることが不安」という人のために作られた和菓子がある。
ふわっと白くて、手に取ると赤ちゃんの肌のような柔らかさ。口に入れると、割れるようにサクッと噛み切れる。そして皮とあんが共に口の中で吸い込まれ、滑らかに溶ける。ありそうでなかったこの食感が「おかゆ大福」だ。
生み出したのは中村伊英よしひでさん。三重県伊賀市にある1607年創業、和菓子店「桔梗屋ききょうや織居おりい」18代目の和菓子職人だ。
店に入るとほのかな甘い香りが漂う。天井を見上げると、年代を感じる梁はりが巡らされ、木の温ぬくもりを感じる。正面には長いガラスのショーケースがあり、約100種類のお菓子が並ぶ。出迎えてくれたのは中村さんの妻・里美さんだ。
「以前の店舗は250年も経過して老朽化したので、30年ほど前に建て直したのがこの店舗です。あの古い看板は、貴重なものなんですって」
店の左奥には「桔梗屋織居」と彫られた黒ずんだ看板がかかっている。江戸時代中期のもので、以前の店舗で使っていたと教えてくれた。看板マニアが本に載せるほど貴重な遺産だという。
この400年以上続く老舗店が、2015年から「おかゆ大福」の販売を始めた。今では1日平均100個以上売れる人気商品になっている。なかでも病院や高齢者施設からの注文は右肩上がりで増え続け、これまで全国約600施設におかゆ大福を届けている。
正月の不幸な事故をなくしたい
中村さんは、なぜ”おかゆ大福”を作ろうと思ったのか。
正月になると毎年必ずと言っていいほど、餅をのどに詰まらせた高齢者が死亡するニュースが流れる。中村さんの大叔父(当時95)もその一人で、2013年の正月に雑煮の餅を喉に詰まらせて亡くなったのだ。
一般的な大福は、もち米で作られた餅で餡あんを包む。もち米は粘稠度が高く、伸びる。しかし、温度が下がると硬くなる性質がある。お皿の上では柔らかい餅でも、口に入れて温度が下がると急に粘着度が増す。そして餅どうしや喉の粘膜に貼り付きやすくなる。
特に高齢者は、噛む力が弱くなるため小さく噛み砕けない。また、唾液の分泌量が減ってスムーズに飲み込めず、窒息しやすくなる。2018~2019年の2年間を分析した消費者庁のまとめによると、65歳以上の高齢者661人が餅による窒息事故で死亡した。発生件数は1月の282件(全体の43%)が最も多く、うち127件が元日からの3日間に起きた。年齢別では80代の高齢者が半数を占めた。
(続きはソースで)
無駄に長生きさせようとするなよ…
コメント