いま世界で最も陰鬱な場所の1つは、ロシア南部の街ロストフナドヌーだろう。ロシア軍のウクライナ侵攻を後方支援する補給基地があるだけでなく、戦場で犠牲になったロシア兵の遺体が集まる場所でもあるからだ。
巨大な遺体安置所は数百体を収容できるが、もう何カ月も絶望的なパンク状態にある。ソーシャルメディアに流出した内部映像では、さまざまな腐敗段階にある数百の遺体が廊下に放置されている。
壁沿いには天井まで棺が積み上げられているが、そこに納められた遺体は幸運だ。戦場で回収され、身元が特定され、棺に入れられ、遠く離れた故郷の家族に送り返してもらえるのだから。
ロストフナドヌーに運ばれることもなく、ウクライナの大地で朽ち果てる遺体は無数にある。
確かに彼らは、ロシアによる不当な侵攻の実行部隊であり、ウクライナが自衛権という当然の権利を行使した結果、命を落とした。
また、ロシア兵の多くが、民間人を含むウクライナの人々に対して筆舌に尽くし難い狼藉を働いたことも知られている。
ただ、ロシア兵が命を落とすペースが、ウクライナ兵のそれを著しく上回っていることは、ロシア側における2つの大きな問題点を浮き彫りにしている。すなわち兵士の使い方における著しい人命軽視と、その人種的な偏りだ。
まず、ロシア軍内部における人命軽視だが、実際その規模にはギョッとさせられる。この10月には1日の死傷者数が過去最多の推定1500人を記録した(ただし、ロシアもウクライナも正式な犠牲者数は発表していない)。
2022年2月のウクライナ侵攻開始以来のロシア兵の死者は計11万5000~16万人で、1970年代末にソ連がアフガニスタンに侵攻したときの10倍以上だ。平均的な兵士の前線での「寿命」は、1カ月未満ともいわれる。
あまりにハイペースの死者増加に、兵士の補充が追い付かず、新兵はろくな訓練も受けないまま前線に送り込まれ、すぐに命を落とすという悪循環が生まれている。
ロシアがハイペースで失っているのは兵士だけではない。武器も、生産量(あるいは武器庫からの補給量)を大きく上回るペースで失っている。
一部の推測では、ロシア軍は10月だけで戦車、歩兵戦闘車、航空機など計500台以上を失った。第1次チェチェン紛争のグロズヌイの戦い(1994~95年)の2倍の量だ。
当時の甚大な損失は、ロシアの軍と社会の雰囲気を著しく悪化させた。現在、ロシア最大の軍備基地の一部は空っぽで、ソ連時代の戦車や装甲車まで前線に引っ張り出されている。
ただ、ロシア兵に関しては、政治家やメディアに登場する識者、そして市民さえも、その命をひどく軽んじていて、それを隠そうともしない。
今回のウクライナ戦争で、ロシア軍が空挺部隊や特殊部隊などのエリート部隊を大量投入して一気にケリをつける戦略から、第2次大戦中のような人海戦術に切り替えたのは、22年5月に始まったバフムートの戦いだった。
これはミートグラインダー(肉ひき器)戦術とも呼ばれ、膨大な数の兵士を前線に送り込むことで、ウクライナ軍を疲弊させるとともに、その位置をあぶり出して爆撃する。
この戦術をバフムートで採用したのは、当時ロシアの民間軍事会社ワグネルを率いていたエフゲニー・プリゴジン(23年8月に死亡)とされる。
しかもプリゴジンは、この「使い捨て兵士」に、受刑者と法外な報酬を求める傭兵を充てた。
ロシアは1年間にワグネルの傭兵だけで2万人以上を犠牲にして、廃墟と化したバフムートを制圧した。
以来、ミートグラインダー戦術はロシア軍全体に採用され、それとともにロシア兵の死者数は近年の軍事史上例を見ないほど膨らんでいった。
今年2月に展開されたウクライナ東部の町アウディーイウカをめぐる戦いでは、少なくとも1万6000人のロシア兵が命を落とした可能性がある。
ロシア軍の人命軽視の表れは人海戦術だけではない。ウクライナの民間人に対するレイプ、拷問、殺害、誘拐といった蛮行は世界を驚愕させてきた。捕虜となったウクライナ兵の処刑も日常的に行われている。
蛮行の矛先は、ロシア軍内にも向けられている。ソーシャルメディアには、上官の命令を拒否したり、疑問を呈したりしたために拷問を受けたり、重傷を負っているのに前線に送られたりする兵士の映像が大量に存在する。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2024/12/528627.php#:~:text=%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2
引用元: ・【ロシア軍残酷物語】ウクライナ侵攻によるロシア兵の死者は11万5000~16万人に、兵士を 「使い捨て」
ウクライナ軍指導部は、ロシア軍が急速に前進している東部ドネツク州の防衛を統括する司令官を交代させた。
軍当局者が14日明らかにした。
ウクライナ軍参謀本部の当局者がロイターに述べたところによると、ドネツク作戦・戦術グループのトップだったオレクサンドル・ルツェンコ氏に代わり、オレクサンドル・タルナフスキー氏が後任に起用された。
ルツェンコ氏を巡っては、東部の要衝ポクロフスクに向けたロシアの進軍を止められなかったとして、軍事ブロガーや一部議員から批判が出ていた。
ポクロフスクは幾つかの重要な道路や鉄道が交差する要衝で、ドネツク州の境界線までわずか20キロほどの場所にある。
ロシアはドネツク、ルハンスク両州全域の占領を目指し、侵攻当初からこの境界線への到達を目指している。

もちろん、減少した現役世代の対策なんてものは考えてない
ブレジネフだってアフガン侵攻中はそんなことは一切考慮していなかった
で、負けて撤退した後に「あ、人減りすぎてこりゃだめだw」となって不採算地域を独立させて凌いだ
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