https://news.yahoo.co.jp/articles/222964f9004e027b0d722cdfe3b79baf15d24b93
■自己批判の強制はパワハラ
──。共産・社会主義に関心のある人なら、隔世の感を覚えるだろう。読売新聞や産経新聞などは11月13日、日本共産党から除籍された元党福岡県常任委員の神谷貴行氏が党などを相手取り、東京地裁に提訴したと報じた。神谷氏は党員・党職員としての地位確認と、県委員会からパワハラなどの被害を受けたとして数百万円の損害賠償を求めている。
近年の共産党は除名や除籍を“乱発”し、多くの人々を呆れさせてきた。それでも共産党に反省している様子は見られず、それこそ自己批判が足りないのではないかと指摘したくなる。まずはなぜ神谷氏が除籍されてしまったのか、その原点から経緯を辿ってみよう。
共産党で要職を歴任してきた松竹伸幸氏が『シン・日本共産党宣言 ヒラ党員が党首公選を求め立候補する理由』(文春新書)を上梓したのは2023年1月のことだった。
松竹氏は党改革が急務だとし、党首公選制、自衛隊合憲、日米安保堅持など現実路線の転換を訴えた。すると共産党は翌2月、「党規約違反」と一方的に除名処分を下してしまったのだ。
議論さえ許さぬという共産党の高圧的な姿勢を朝日新聞が問題視し、社説「共産党員の除名 国民遠ざける異論封じ」を掲載。《党のあり方を真剣に考えての問題提起を、一方的に断罪するようなやり方は、異論を許さぬ強権体質としか映るまい》と強く批判した。
これに共産党は朝日新聞を攻撃するという暴挙に出る。当時は党委員長だった志位和夫氏が「朝日に指図されるいわれはない」と感情的に反論。その独善的な発言に呆れる声が続出したのは言うまでもないが、何と志位氏は当初、「産経に指図されるいわれはない」と社名を言い間違えていた。これで失笑も買ってしまう。
引用元: ・日本共産党が「除名」「除籍」を乱発して元党員が怒りの提訴…パワハラなどの被害を受ける [662593167]
ちなみに松竹氏も共産党を提訴している。元参議院議員で共産党のナンバー4にあたる政策委員長を務め、2005年に離党した筆坂秀世氏は「共産党内では神谷さんの除籍を撤回してほしいという意見表明が相次いでいるそうです」と言う。
「私は神谷さんに会ったことはありませんが、人望が厚い人だと聞いています。福岡県の党員は『神谷さんの除籍は納得できない』と大騒ぎしているそうです。松竹さんから始まって神谷さんまで、共産党は4人を除名・除籍しました。いずれも現場で地道な党活動を積み重ね、党員から信頼されてきたという共通点があります。それを納得できる理由がないにもかかわらず、党から一方的に追い出したわけです。とてもではありませんが、今の共産党はガバナンスが崩壊していると言わざるを得ません。公党にあるまじき人事権の濫用であるのは明らかです」
■志位議長の問題点
日本共産党中央委員会議長の変遷を見ると、野坂参三、宮本顕治、不破哲三の3氏が歴任した後、今年1月に志位氏が就任した。筆坂氏は宮本、不破、そして志位の3氏で比較すると、リーダーシップの差が歴然としていると指摘する。
「端的に言って、宮本さんや不破さんの悪口を言う党員はいませんでした。例えば宮本さんは毀誉褒貶が相半ばする政治家だったとはいえ、戦前の軍部独裁に公然と異を唱え、あの中曽根康弘さんが『敵ながらあっぱれ』と評したことは重要でしょう。宮本さんも不破さんも党員が喜んでついて行きましたが、志位さんの悪口を言う党員はいっぱいいます。選挙で負け続けていることから力量に問題があることは明らかですし、党員に対する包容力に欠けているためリーダーシップがなく、誰も付いてきません。その結果、志位氏は除名や除籍を乱発せざるを得ないというわけです」(同・筆坂氏)
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