
朝日新聞2024/11/14
https://www.asahi.com/thinkcampus/article-111105/?cid=asadigi
■新課程で学習量が増大
2025年の新課程入試の特徴は、「受験に必要な学習量が格段に増大した」といえます。大学入学共通テストの試作問題を見ても、英語は受験に必要といわれていた3000語を大幅に超え、4000-5000語になっています。国語は法律の条文や契約書の文面といった実用文が出題され、「情報」という新教科も加わります。その結果、国公立大の受験生は、最大でこれまでの5教科7科目から、6教科8科目の勉強をすることになります。
そのようななかで、最も大きく変わった教科が地理歴史・公民です。というのも、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたことに合わせて、公民の代わりに「公共」という新科目が登場。また、これまで高校の社会では選択科目だった「地理」が、「地理総合」という必修科目になりました。
さらに、「歴史総合」が登場します。これは日本史の近現代史と、世界史の近現代史を合体させて、日本は世界とどう関わってきたのか、世界で起きた出来事は日本とどのように関係しているのかを時間的・空間的つながりの中で考える科目です。
この「歴史総合」が、私立大の受験生の動向に少なからぬ影響を与えると見られています。ある予備校講師によれば、「この科目をきちんと教えられる教員は、まだ少ないというのが現状のようだ」とのこと。ある都立高校の教員は、「日本史の教員も世界史の教員も、専門外のことを教えなければならない。授業の進行に失敗し、1910年の『日韓併合』までで1年間の授業が終わってしまった。残り100年分の補習をするのが大変だった」と話し、現場の混乱ぶりがわかります。
■出題傾向で大学が2グループに
さらに、要注意なのは入試での取り扱いです。私立大の25年入試科目を見てみると、「歴史総合」を出題範囲に含むか含まないかで2つのグループに分かれます。
例えば、早稲田大学や中央大学法学部は出題範囲に含みませんが、慶應義塾大学(商学部を除く)や明治大学は含むと発表しています。それをまとめたのが下の表です。関東圏の私立大は一部を除いて「歴史総合」を出題し、関西圏の私立大は出題しない傾向があります。関東の日東駒専(日本大、東洋大、駒澤大、専修大)は出題し、関西の産近甲龍(京都産業大、近畿大、甲南大、龍谷大)は出題しません。関西学院大学は当初は出題する方向でしたが、出題しない方向に変更しており、東西できれいに分かれています。関西の大学は「歴史総合を出題して受験生や大学の負担を増やしても、双方にメリットがない」と判断したのかもしれません。
以上のことからいえるのは、これまでの併願プランが通用しなくなるということです。例えば、これまで早稲田大学、明治大学、法政大学の入試は「国語と社会が難しい」という共通点があるため、併願しやすい組み合わせといわれていました。ところが、「歴史総合」については、早稲田大学が出題せず、明治大学、法政大学は出題します。方向性が分かれてしまったのです。
「歴史総合」の代表的な教科書は、256ページというボリュームです。併願校のために、分厚い教科書で勉強しようと受験生が思うのか、疑問です。早稲田大学を受験するなら、「歴史総合」を出題しない中央大学法学部や関西の大学を併願し、慶應義塾大学や上智大学を受験するなら、「歴史総合」を出題する明治大学や法政大学と併願するのが、時間的に有利ではないでしょうか。
「早・明・法」の併願率は7-8割ともいわれていましたから、となると、大学受験の一大事と言っても過言ではありません。
■「歴史総合」の有無で、早慶の併願が困難に
「歴史総合」を出題する大学を見ると、「おしゃれな大学」の代表格ともいえる慶應義塾大学、上智大学、立教大学が入っています。「歴史総合」を出題するという観点で併願を考えると、ここに「骨太な大学」のイメージがある明治大学や法政大学が加わることになります。そうなると、おしゃれなキャンパスをバンカラの学生が闊歩する。そんなふうに、大学のキャラクターまで変わっていく可能性もゼロではないかもしれません。
前出の都立高校教員は、こうも語っていました。
「早稲田大学は地方出身の学生が減り、中央大学法学部も都心にキャンパスを移転したことで、学生層が随分と変化しました。入試が変わると、学生の顔がさらに変わっていくでしょう」
※以下出典先で
引用元: ・【進学】2025年大学入試から「歴史総合」の有無で、受験校選びに大きな影響 早慶の併願が困難に [七波羅探題★]
日本の工員が中国人の5倍の生産性があるってわけでもなく
しばしば「中国のGDPはまやかし」だとする声があるけど
実際に中国・ロシア・インドに対してまやかしのGDPを誇ってるのは西側諸国だったってわけですな
公教育は失敗続き
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