問題は二期目のトランプ政権がどのような政策を展開していくかにある。とくに、中国に対する経済制裁次第で日本に深刻な影響が及ぶ可能性がある。ただ一期目のトランプ政権の政策からも分かるように、トランプ政権の政策についてほとんど予測不可能である。選挙戦のときも、トランプ氏は意図的に不規則発言を行っていた。その不規則発言は支持者を引き付ける効果がある一方、政敵や交渉相手に脅しと揺さぶりをかける効果がある。
ここでは、トランプ2.0で米中関係がどのようになるかについて展望することにする。
■さらに強化される対中貿易制裁
トランプ1.0のとき、アメリカ政府の圧力を受けて、中国政府は米中貿易が均衡するように努力する約束をした。バイデン政権になってから、当時の約束が忘れられたようだ。アメリカの貿易統計によると、2023年、アメリカの対中輸出は1478億ドルだった。それに対して、中国からの輸入は4272億ドルだった。米中貿易収支は米国にとって2794億ドルの赤字だった。
この統計からも分かる通り、米中貿易不均衡が是正されていない。しかも、米中貿易戦争以来、中国企業は第三国経由でアメリカへの輸出を増やしている。したがって、米中貿易不均衡は米中二国間貿易統計以上にアメリカの貿易赤字が大きいものになっている。
このことから簡単に推察できるが、2025年1月、トランプ氏が大統領に就任してから、対中貿易制裁を強化する可能性がある。これに対して、習近平国家主席にとって困るのはアメリカに報復するカードをほとんど持っていないことである。
バイデン政権では、中国の電気自動車(EV)やドローンなど安全保障関連の企業に対して、制裁を加えているが、トランプ氏が就任してからピンポイントの制裁を続けるだけでなく、中国からの輸入全般および第三国経由の製品と部品の輸入を含めて制裁を強化する可能性が高い。
それに対して、中国外交部報道官は記者会見で対米批判を展開するが、実効性のある報復措置はほとんど講じられない。考えられる報復措置といえば、レアアースなど鉱物資源の輸出を制限するぐらいであろう。しかし、アメリカはレアアースなどの鉱物資源のサプライチェーンをすでに多角化しており、中国からの輸入が難しくなっても、ほとんど影響がない。
逆にトランプ2.0による対中貿易制裁が強化されると、サプライチェーンの中国離れがさらに加速する可能性が高い。この激変をどのように受け止めたらいいのだろうか。
一つはトランプ氏が誤解している点である。アメリカは再び製造業の強国にはなれない。中国にあるサプライチェーンを分散しても、アメリカに向かう企業が少なく、ベトナムやインドなどほかの新興国にシフトされる可能性が高い。
もう一つは、かつての雁行発展モデルの理論に則って考えれば、中国でモノづくりを続ける低コストなどの比較優位は徐々に失われつつある。中国の人件費が上昇しており、コロナ禍をきっかけに内需も弱くなった。なによりも不動産不況が長期化する様相を呈しているため、短期的に中国経済が回復する見込みがない。
以下全文はソース先で
■台湾を巡るトランプと習近平の駆け引き
■日中関係のあり方
現代ビジネス 2024.11.12
https://gendai.media/articles/-/141152
引用元: ・習近平、絶望…「トランプ2.0」の熾烈な対中制裁に対抗手段ゼロの衝撃 [11/12] [ばーど★]
毎度毎度こういうアホには本当にウンザリ
コメント