非公認や無所属の候補をかき集めても過半数を回復できない大惨敗である。いったい「勝敗ライン」とは何だったのか。それを達成できなければ「敗北」を認めて「辞任」する線引きではないのか。そんなものはなかったかのようにやり過ごす姿勢は、あまりに醜い。
首相に就任したとたん、9月の自民党総裁選で訴えた主張を次々に覆した。衆院解散の時期も、金利の引き上げも、裏金議員の公認問題も、あっけなく前言を翻したのだ。
石破首相の言葉の軽さを象徴する総仕上げが「勝敗ライン」の棚上げである。なりふり構わぬ「居座り」だ。
石破首相は晋三元首相に疎まれ、干し上げられた。無役の非主流派暮らしが10年続き、この間に石破派も消滅した。それでも世論調査の「次の首相」でトップを走り続けてきたのは、「党内野党」の立場から正論を吐いてきたからだ。石破首相なら裏金問題で腐り切った自民党を浄化してくれるという期待感が、支持政党の垣根を越えて広がっていた。
石破首相はそれを見事に裏切った。裏金議員の大半を公認し、世論の期待は一気に萎んだ。
総選挙最終盤、非公認とした者たちにも「裏公認料」として2000万円を支給していたことが発覚し、落胆は憤怒へ変わった。
この総理は信用できない――。自公惨敗の要因は、裏金問題に加え、石破首相がブレまくったことだろう。この先、石破首相が何を訴えても、コロコロまた変わるかもしれない。こねくり回した言葉の羅列がむなしく響くだけだ。
「党内野党」として正論を吐いてきたのは仮の姿、実は権力欲を覆い隠していたとしか思えない豹変ぶりである。
読売新聞の世論調査によると、内閣支持率は解散目前の51%から総選挙直後は34%へ急落した。新内閣誕生のご祝儀相場は瞬く間に吹き飛んだ。
この選挙戦を通じて石破首相が坂道を転がり落ちるように国民の信頼を失ったことは一目瞭然である。
自公が過半数を割り、政権交代も実現しない情勢で、政界の主役に躍り出たのが国民民主党である。野党第二党の日本維新の会が総選挙敗北で代表辞任論が噴出し混乱するのを横目に、政界のキャスティングボートを独り占めした格好だ。
自公与党は当面、国民民主党の主張を次々に受け入れながら政権運営を続けていくほかない。
けれども過半数割れの状況が続けば、国民が反旗を翻した時点で政権は立ち往生してしまう。どこかで過半数を回復して安定政権を取り戻したい。
過半数回復策は二つしかない。ひとつは連立の枠組み拡大だ。国民が連立入りに応じてくれれば、すぐに過半数を取り戻せる。国民がハードルをあげれば、維新と交渉することも可能だ。立憲と大連立を目指す選択肢もある。しかし、どの党も来夏の参院選までは連立入りに慎重だろう。
もうひとつの選択肢は、来夏の参院選にあわせて衆参ダブル選挙に打って出ることだ。総選挙は終わったばかりだが、自公過半数を取り戻す手っ取り早い強硬策である。
もちろん、不人気の石破政権ではダブル選挙は戦えない。来春の予算成立後に再び首相を交代させ、新しい政権で支持率を回復して衆参ダブル選挙を探る中国リオだ。
衆参ダブルでなくても、来夏の参院選は石破政権では戦えないという空気が自民党内には広がっている。
来春の予算成立まで、国民民主党に譲歩を重ねるしかない厳しい状況は石破政権に委ね、予算成立のタイミングで「石破おろし」が吹き荒れる展開がもっとも有力だ。石破政権の余命は長くて半年ではないか。
石破首相の政権基盤は極めて弱く、いつ倒れてもおかしくはない。自公は過半数を割っている。
自民党内も最大派閥だった派は大量落選して「石破おろし」にただちに動く気配はないものの、第二派閥だった麻生派や第三派閥だった茂木派は非主流派に転じ、石破政権を支える機運は乏しい。
石破首相は、少数与党を逆手に取って「国民民主党の主張を受け入れなければ、自公政権そのものが崩壊する」と訴え、党内の不満を抑え込んでいくしかない。国民民主党に命運を握られた政権運営が続く。
引用元: ・【元朝日新聞特別報道部デスク・鮫島浩】石破政権の余命は長くて半年、いつ倒れてもおかしくはない、不人気の石破政権では来夏の参院選は戦えない
世論誘導工作とかどこの国の諜報機関だよ
俺は知らん
何故、人気あると?
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