【ベルギー・ゲント大学研究】mRNAコロナワクチンの繰り返し接種により、鼻の中の粘膜に抗体が存在するようになり、全身免疫が強化される

COVIDパンデミックに対する世界的な対応戦略の一環として、SARS-CoV-2ウイルスの新しい変異体に対する防御を確実にするために、追加接種、つまり「ワクチン更新」を実施することが含まれる。

研究者らは、鼻の内側などの粘膜に対する粘膜免疫に対する複数のmRNAワクチンの効果を調査することを目指した。

具体的には、初回接種および追加接種後に複数の時点でサンプルを採取した183人の参加者のコホートを対象とした研究である。

博士課程の学生 Jozefien Declercq (VIB-UGent) は次のように説明しています。「mRNA ワクチンを複数回接種した人の鼻汁には、ウイルスの侵入を阻止するために不可欠な中和抗体が著しく増加していることが分かりました。それだけでなく、mRNA ワクチンによって生成される免疫反応は、これまで考えられていたよりも長く持続する可能性があり、ウイルスの新たな変異体に対する持続的な防御への期待が生まれます。」

しかし、ワクチンに反応して生成された抗体はどのようにして鼻に到達するのでしょうか?

Stijn Vanhee 教授 (VIB-UGent)、この研究の共同上級著者
マウスモデルを使用して、粘膜中和抗体のほとんどが全身起源であり、血液中を循環する抗体が鼻の呼吸粘膜に移動することを発見しました。これは、繰り返しワクチン接種を行うと、粘膜に到達できる全身抗体の生成が刺激されることを示唆しています。」

この研究結果は、ワクチン接種を繰り返すことで全身免疫が強化されるだけでなく、粘膜の抗体反応も強化され、ウイルスに対する防御力がより強固になることを示唆している。

この研究の共同筆頭著者であるリノス・ヴァンデケルクホーフ教授（ゲント大学）は、COVID-19との戦いにおける粘膜免疫の重要な役割を強調しています。

「私たちの研究は、mRNAワクチンの繰り返し接種が粘膜抗体反応を改善したり、既存の感染によって引き起こされた粘膜反応を刺激したりできるという説得力のある証拠を示しています。これは、ウイルスの侵入口での感染を防ぐために不可欠です。これは、特に懸念される新しい変異体に直面している今、今後の公衆衛生戦略に大きな影響を与える可能性があります。」

https://www.news-medical.net/news/20241023/Repeated-mRNA-vaccinations-enhance-mucosal-antibody-production.aspx

2024年10月23日　研究論文

COVID-19 mRNAベースのワクチン接種の繰り返しは、粘膜におけるSARS-CoV-2中和抗体反応に寄与する
https://www.science.org/doi/10.1126/scitranslmed.adn2364